NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社が携帯電話の料金プランを2019年度にも値下げする検討を始めたことが10月29日、分かった。
値下げを強く求める政府の意向に沿った形となる。
ドコモは10月31日の2018年9月中間決算発表と併せ、値下げの方向性を示す。
スマートフォンの端末代金と通信料金を切り離す「分離プラン」の拡充が柱となる見通しで、通信料金の低減を図る。
大手3社はこれまで一定期間の契約を前提にiPhoneなど高価格化したスマホの端末代金を割り引く料金プラーンを主力としてきた。
だが、端末代金の割引に注力するあまり、通信料金の高止まりを招いたとの批判があった。
このため3社は通信料金の引き下げを特色とした分離プランの導入を進めてきた。
ドコモが現在提供している分離プランは対象端末が限られており、対象端末の
拡大や中古端末への適用を検討する。
値下げによる減収の影響を見極めながら検討を進める。
料金体系を分かりやすくすることも目指す。
ただ、分離プランでは通信料金は安くなるものの、端末代金が高くなるのが一般的。
分離プランの拡充により消費者が値下げを実感できるかどうかは、まだ流動的だ。
スマホの買い替えサイクルが一層長期化したり、低価格端末への需要が増えたりと携帯電話市場に一定の変化が出る可能性もある。
携帯電話料金を巡っては菅官房長官が8月に「4割程度下げる余地がある」と発言したことを発端に、政府内で議論が本格化した。
政府は来年秋の楽天による携帯電話事業への参入や、格安スマホ業者への乗り換え強化で競争を活性化し、値下げを促す方針だ。
一方、大手3社は2019年に一部運用開始を目指す高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムヘの大型投資を控え、減収を最小限にとどめたい考え。
このため値下げ幅は限定的との見方もある。