警察庁は2月26日、75歳以上の認知機能検査を強化した昨年3月の改正道交法施行から同12月末までの約9ヵ月間について、運用状況をまとめた。
受検者は172万5292人で、うち認知症の恐れがある「第1分類」と判定されたのは4万6911人。
同11月に公表した約半年間の集計から1万6741人増えた。
第1分類以外は、認知機能低下の恐れがある「第2分類」が45万8215人、認知機能低下の恐れがない「第3分類」が122万166人。
第1分類とされた場合は医師による診察が義務化され、実際に診断を受けたのは1万2447人。
このうち1351人が認知症として免許の取り消しや停止の行政処分を受けた。
ほかの第1分類は、1255人が行政処分に向けた手続き中などの状態。
免許を返納したり、手続きを取らずに失効したりした人が1万3624人に上った。
残りは本人の希望などで再検査を受けて第2、3分類と判定されたり、診断結果を待っていたりしている。
第1分類を都道府県別に見ると、多かったのは愛知の2307人や茨城の1909人、千葉の1890人。
少なかったのは鳥取の223人、沖縄の359人などだった。
認知機能検査の受検者全体のうち、免許更新時ではなく、道路の逆走など交通違反をきっかけとした「臨時検査」だったのは9万7290人。
警察庁は2月26日、2017年における免許の自主返納件数の確定値もまとめた。
全年齢層では42万3800件、うち75歳以上は25万3937件で、ともに1998年の制度導入以降で最多だった。
警察庁によると、75歳以上の免許保有者数は2017年末時点で約540万人に上り、2007年と比べてほぼ倍増。
各地で高齢者による事故が相次ぐ中、今後も保有者は増加する見込みで、警察庁が有識者会議を立ち上げて対策を検討している。