2023年に全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した18歳未満の子どもは、前年比6・1%増の12万2806人だったことが3月28日、警察庁のまとめで分かった。
摘発した事件は9・4%増の2385件で、いずれも過去最多だった。
ともに近年増加傾向で、警察庁は、児童虐待への社会的関心の高まりを背景に、市民からの通報が増えているためとみている。
通告した子どものうち、最も多かったのは暴言など「心理的虐待」を受けた9万761人。
子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV」の5万2611人も含まれる。
「身体的虐待」が2万1520人、育児放棄(ネグレクト)などの「怠慢・拒否」1万205人。
「性的虐待」320人と続いた。
摘発した2385件の中では、身体的虐待が1903件と最も多く、性的虐待372件、心理的虐待65件、怠慢・拒否45件と続いた。
虐待事件の被害者となった子どもも、前年比201人(9・1%)増の2415人で過去最多だったが、死亡したのは9人減の28人で過去最少だった。
加害者は実父や継父など「父親等」が71・0%で、実母や継母など「母親等」が29・0%だった。