国際通貨基金(IMF)が「特別引き出し権(SDR)」と呼ばれる国際的な主要通貨で構成する準備資産に中国の通貨、人民元を採用する見通しとなった。
11月にも開くIMFの理事会で決める。
ロイター通信が10月26日までに報じた。
実現すれば、元はドルやユーロ、ポンド、円と並ぶ主要通貨として認められることになる。
中国は元の国際化を目指しSDRへの採用を求めていた。
IMFが採用を決めた場合、来年10月からSDRは5指貝で構成される。
ロイターによると、IMFのスタッフがまとめた報告書案は、元のSDR採用について好意的な結論を出した。
SDRの構成通貨は(1)モノやサービスの輸出額が多い国・地域の通貨、(2)国際的に自由に取引できる通貨の二つの条件を満たす必要がある。
IMF関係者は「(作業は)全て順調に進んでおり、政治的な障害もない。 報告書案は明らかに元を採用する方向に傾いている。 理事会が最終決定する」と語った。
今年は原則5年に1度、IMFがSDRの構成通貨を見直す年にあたる。
IMFの主要加盟国のうち欧州勢は元の採用に前向きだが、日米は取引の自由化が不十分だとして慎重な判断を求めているとされる。