政府は2月26日、インターネット上で匿名の誹誇中傷を受けた被害者が投稿者を特定しやすくするための関連法改正案を閣議決定し、国会に提出した。
新たな裁判手続きの創設が柱。
開示にかかる時間や費用の負担を軽減し、より迅速な被害者救済につなげる。
政府は今国会での成立を目指し、来年終わりごろには施行したい考えだ。
被害者が投稿者を突き止めて損害賠償を請求するまで現状では1年半程度かかることもあるが、数力月程度に短縮できると見込んでいる。
改正するのはプロバイダー責任制限法。
現在、投稿者を特定するための情報を得るには会員制交流サイト(SNS)事業者やプロバイダー(接続事業者)を相手にそれぞれ仮処分申請や訴訟を起こすなど主に2回の手続きを経る。
新たな裁判手続きは事業者を訴えなくても、被害者の申し立てに基づき裁判所が開示の適否を判断するため、1回の手続きで済み、被害者の負担が軽くなることが期待される。
投稿者が裁判所の開示決定に不服がある場合は、異議申し立てにより訴訟に移行できる仕組み。
加害者を特定するための情報について、SNSに書き込んだ時に加え、ログインした日時などの通信記録を開示対象にすることも盛り込んだ。