厚生労働省は4月10日、65歳以上の高齢者と基礎疾患のある60~64歳の人を対象とした新型コロナウイルスワクチンの定期接種を巡り、国が自治体に対し1回当たり8300円を出してきた助成を終了し、2025年度の定期接種からなくす方針を決めた。
同日、各都道府県に連絡した。
定期接種は2024年度に始まった。
国の助成は、全額公費による「特例臨時接種」から定期接種への移行によって急な負担増が生じないよう、緩和措置として行われてきた。
2025年度の定期接種は秋に始まる見込み。
独自の補助を設ける自治体もあるが、助成がなくなれば接種の自己負担額は高くなるとみられる。
低所得者を無料とするための取り組みは残す予定。
定期接種対象外の人は、引き続き原則全額自己負担の任意接種となる。
2024年度は定期接種の費用1万5千円程度のうち、自己負担額が最大7千円になるよう、ワクチンの生産体制整備のための基金を活用して助成していた。
この基金は今年2月の衆院予算委員会で、過去に運用損を出したことが指摘された。
医療機関へのワクチン納入量は、1月24日時点で786万回分。
全てが使われたとしても高齢者の4分の1に満たない状況だった。
新型コロナ対策では、法的な位置付けが2023年5月に「5類」に移行したことを受け、特例臨時接種のほか、治療や医療提供体制に関する公費支援が2024年3月末に終了した。