斎木外務事務次官は12月29日、ソウルで韓国の趙外務第1次官と協議した。
旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり斎木氏は、法的責任を認めることはできないとの従来の日本の立場をあらためて表明。
同問題で進展はなかったもようだ。
協議前に左派系市民団体のメンバ約30人が、斎木氏らが乗つた車が外務省に入るのを妨害し、開始が遅れた。
日本側は韓国側に抗議した。
韓国政府筋は、尉姜婦問題について両国外務省の局長による協議が続いているとして話し合うこと自体に意味があると述べ、次官協議で立場の差が縮まらな
かったことを事実上認めた。
慰安婦問題で斎木氏は、法的な問題ではなく、元慰安婦女性らの「心の問題」であるとの日本の立場を踏まえて対処すると表明。
この問題によって両国関係全体が損なわれてはならないとも伝えた。
また朴桂恵大統領の名誉を毀損したとして在宅起訴された産経新聞の前ソウル支局長の問題などを取り上げ、大局的な立場からの対応を韓国に求めた。
韓国政府筋によると、趙氏は安倍音三首相が検討している戦後70年の首相、談話を「韓国だけでなく周辺国が注視している」と伝え、歴史認識などに関する内容で日本をけん制した。
協議前の団体の妨害について韓国外務省は斎木氏に遺憾の意を伝えた。
何度行っても進展のない次官協議を続けても意味がないのでは。