総務省や通信会社などでつくる協議会は8月19日、これまで原則禁止としていた病院や診療所での携帯電話の使用制限を緩和する新たな指針を公表した。手術室や検査室は禁止のままとするが、待合室や個室の病室では通話も認める。携帯電話や医療機器の機能が向上したのが主な理由。
指針に強制力はなく、実際のルールは各医療機関が決める。
携帯電話の使用をめぐっては、総務省が昨年1月に心臓ペースメーカーなどとの距離制限を緩和する指針を公表。
国土交通省も9月から、航空機内での槽爾電話など電波を発する電子機器の使用制限を一部緩和する。
医療機関の新指針では、施設内の場所ごとに、通話やメール・インターネツ卜閲覧に対する考え方を示した。
手術室、検査室や集中治療室(ICU)では「医療機器に影響が発生した場合のリスクが非常に大きいものが多くある」と原則禁止とした。
電源を必ず切ることも求めた。
診察室では、診察の妨げになるので携帯電話の使用は控えるとする一方で、医療機器から一定の距離を離した場合、電源を切る必要はないとした。
メール受信は可能となる。
待合室や個室の病室、食堂などではマナーに配慮しつつ、通話、メール、ネットの閲覧とも認められるとした。
多人数の病室では、通話を制限するといった配慮が望ましいと指摘した。
指針の見直しは17年ぶり。
携帯電話の電波が当時より弱くなったほか、医療機器の性能が向上したことで、電波の影響を機器が受けにくくなったからだ。
スマートフォンなど携帯電話が生活に不可欠になっていることも背景にある。
自主的に使用を認める医療機関も増えている。
マナーだけは必ず守ってほしいものだ。