南極海などで調査捕鯨を行う日本鯨類研究所は8月23日、米国の反捕鯨団体「シー・シェパード」との間で、米連邦地裁での調停により、日本側の調査船に対する妨害行為を永久に行わないことなどを柱とする合意に達したと発表した。
だが、妨害活動の実動部隊となってきたオーストラリアの同団体の広報担当者は、米国の司法権は及ばないとして、今後も妨害を続ける考えを示した。
鯨研は妨害中止を求めて2011年に米ワシントン州の連邦地裁に訴訟を起こしていた。
鯨研の担当者は、事実上の本部とみる米側からの資金や人材の提供が禁止されるため、オーストラリアの団体の妨害活動にも打撃になると指摘した。
一方、シー・シェパード・オーストラリア担当者は「活動には何も影響しない。捕鯨を止めるためには何でもする」と述べた。
詳しい合意内容は非公開だが、鯨研によると、シー・シェパードや創設者のカナダ人、ポール・ワトソン容疑者は調査船への攻撃や安全を脅かす航行のほか、公海上で調査船の約450メートル以内に接近することも禁止された。
シー・シェパードはワトソン容疑者が1977年に設立。
捕鯨船に体当たりしたり、乗組員にレーザー光線を照射したりする過激な手法が物議を醸してきた。
シー・シェパードは2012年にも、米連邦高裁から今回と同様の仮処分命令を受けたにもかかわらず、妨立居動を継続。
そのことが法廷侮辱に当たるとされ、鯨研と調査船を所有する共同船舶に賠償金計255万ドル(当時のレートで約3億円)を支払った。
今回の調停により、この賠償金の一部が和解金としてシー・シェパードに返還
されるが、妨害活動に使ってはならないとの条件が付けられた。