総務省が13日発表した2017年の就業構造基本調査によると、働く人全体の数は6621万人で、2012年の前回調査から179万人増加した。
このうちパートや有期契約、派遣などの非正規労働者は90万人増の2133万人となり過去最多を更新した。
人口の多い団塊の世代が定年退職し、有期契約や派遣で再就職する事例が増えたためとみられる。
前回調査からの5年間は安倍政権のアベノミクスと重なる。
雇用情勢は改善し、人手不足を反映して女性や高齢者でも働く人が増えているが、非正規の割合は依然約4割と高い。
6月に成立した働き方改革関連法では、定年後の再雇用を含む非正規労働者の待遇改善が盛り込まれており、企業側の対応が急務になっている。
15~64歳の生産年齢人口に占める働く人の割合は3.7ポイント増の76.0%で過去最高となった。
都道府県別では福井が80.3%で最も高く、山形(79.7%)、富山(79.1%)が続いた。
役員などを除く雇用者数は230万人増の5584万人。
このうち非正規の占める割合は前回と同じ38.2%で横ばいだったが、60歳以上の高齢者では1.3ポイント増加。
反対に15~34歳の若年層では2,4ポイント減少した。
総務省の担当者は「若い世代では正社員化が進んでいる」と分析した。
都道府県ごとの非正規の割合は、沖縄が最も高い43.1%。
最低は徳島の32.6%だった。
非正規の中ではパートとアルバイトが計1472万人で最多。
契約社員は303万人、派遣労働者は142万人だった。
希望しても正社員の働き口がない「不本意非正規」の割合は12.6%。
特に東北地方で高い傾向があり、青森、秋田、出形、福島は16%を超えた。
働く人のうち育児中の人は881万人、介護中の人は346万人で、いずれも前回調査より増えた。
産業別に見た働く人の数は製造業が最多で1053万人。
卸売・小売業1012万人、医療・福祉816万人、建設業490万人と続いた。
調査は15歳以上の男女約108万人を対象に昨年10月1日時点の状況を聞いた。