踊る小児科医のblog

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AEDがやってきた

2006年12月20日 | こども・小児科
やってきたのは、AED。(くまちゃんではない)
AED=Automated External Defibrillator、自動体外式除細動器。
最近はニュースなどでも頻繁に取り上げられて、AEDの略称だけでも通用するようになってきました。
というか、通用するようにしないと「AED持ってきてください!」と救助者が叫んでも「はぁ?」では困りますからね。

医療機関なのにAED配備してなかったの、などと怒られそうですが、実際にはまだ一般開業医レベルでの保有率は高くない(はず)。
小児用の除細動パッドが認可・発売されていなかったので、それを待っていたのです。
というのが公式の言い訳…。
今年、Philipsで小児用が発売になったので、やっと購入することにして、いつでも使用可能になりました。
講習は2年前に一番簡単なコースを受けているし。



真っ赤な目立つケース。右上の窓から緑色のLEDが点滅しているのが見えれば、AEDは使える状態にあるということ。



ケースを開いて、AEDの本体。
緑色の「引く」と書いてある取っ手を引いてふたを開けると自動的にスイッチ・ON。
あとは音声のガイドに従ってやれば子どもでも間違いようがありません。
使い方については下記ページのデモムービーを(もし興味があれば)ご参照下さい。

ただし、白状しちゃうとこのHS 1という機種は、まだ小児用パッドが発売になっていない(もうすぐとのことですが正式には未定)。
1歳以上8歳未満25キロ未満の場合は、成人用を胸部正中と背部に挟むように貼り付けることで代用する。

もちろんAEDだけで何もかも救命できるわけではないし、基本的な救急蘇生法は知っておかないと。
昨日JI7SPUさんがコメントしてくれましたが、AHA2005に沿って改定された新ガイドラインについて、ちょうど朝日に解説記事が掲載されていたので参考にして下さい。
救急蘇生法に新ガイドライン 心臓マッサージをし続けることがポイント(asahi.com)

でも、一般の方が何もかもやるのは難しいので、とにかく救急車を呼ぶ、人を呼ぶ、(人がいれば)心マ、(人がいなくて近くにAEDがあるなら)AEDを持ってくる、装着する、ここまでのスピード勝負でしょうね。
トレーニングされた人が3人いて近くにAEDがあるというラッキーな状況なら、助かる可能性は高いが。

今年のうみねこマラソンの死亡事故では、待機していた市民ボランティアが初めてAEDのボタンを押し、2回でいったん除細動には成功したものの、時間の遅れのため助からなかったとのこと。
来年はAEDを20台を準備して臨むのだそうです。(私は10キロに挑戦の予定)

実を言うと、主な目的は自分自身に使うことだったりする。。(^^;;
自分ではボタンは押せないけど。
ただ、外で一人で走っていて倒れたら、こんなのが自宅にあったって関係ないし。。

いろんな時に車に積んで持ち歩くようにはしましょう。

昨日のクローズアップ現代で医療機器が輸入すると倍以上の価格になるという問題を取り上げていましたが(見てません)、これも実はそう。
アメリカのアマゾンではコンシューマー向けに通販で大体半額で売ってますから。
そっちから買おうかとも思ったのですが、英語で指示されてもね。。

ランニングコストも結構かかります。
パッドは期限が来たら買い換えないと使えないし、バッテリーも交換しないといけない。
これだけ台数が出ているのに価格が下がらないのは、一般の家電なんかとは全く違う不透明さを感じますね。