踊る小児科医のblog

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子どもの人権110番 0570-070-110

2006年12月14日 | こども・小児科
いじめや体罰、虐待、不登校、自殺などの問題はいまこうしている間にも続いているのだろうと思います。学校から配布された「子どもの人権110番」のカードが置いてあったので、簡単に紹介しておきます。

子どもの人権110番 0570-070-110 月~金曜日(祭日除く)
 育てよう思いやりの心 ひとりで悩まず、電話してね!
 青森県人権擁護委員会連合会・青森地方法制局
 人権イメージキャラクター 人KENまもる君と人KENあゆみちゃん
(裏面)
 こまったことがあったら電話してね! 月~金曜日(祭日除く)
  青森   017-776-9025
  むつ   0175-23-3202
  五所川原 0173-34-2330
  弘前   0172-26-1150
  八戸   0178-24-3346
  十和田  0176-23-2424

東奥こども新聞第4号に、気軽に「子どもの人権110番」の利用を(2001年1月29日)という記事も掲載されています。
チャイルドラインは青森県内には組織がまだなく、立ち上げの準備をされているということをある方から伺いました。
私たちも何らかの形で支援したいですね。

その他にも、子どもセンター青森のホームページに電話相談窓口が多数掲載されています。

どの問題はどこにと厳密に考える必要はないと思いますが、身近に相談できる人がいないか、身近な人には相談できないような場合は、一人で抱え込まずに、試しに電話してみる。
すぐに何もかも解決するようなことはないかもしれませんが、まず誰かにすっかり話して聞いてもらうだけでも、気持ちは大きく変わるはず。

とにかく電話してほしい。。

そばかっけとまめしとぎ

2006年12月13日 | ART / CULTURE


まず最初はそばかっけ。ねぎみそとにんにくみそ。
我が家ではなぜか、大根、鶏肉などと鍋物風にいただきます。
みその摂りすぎで塩分過剰ではないかと思うのですが。。
(にんにくの摂りすぎにはリンゴでOK)



まめしとぎ。
これは多分よこまちで買ったものだと思う(未確認)。
抜けている部分は家族がすでに食した跡。



しかし、まめしとぎというのは現代のコマーシャリズムの対極にあって生息している不思議な食べ物だと思う。
美味しいけど素朴すぎるし、このあたりでは誰でも知ってるけど一歩外に出ればその存在すら知られていないし。
はちのへ地域SNSでも話題になってましたね。。

付録その壱は某日の夕食。
雑誌に載っていたレシピで、ハニーローストチキン。
甘くて酸っぱくて辛くてなかなかの美味でした。
(にんにく、赤唐辛子、ローズマリー、オリーブオイル、レモン、はちみつ)



付録その弐は、八戸とは関係ないけど、北海道土産の定番、六花亭のバターサンド。いただきもののいただきもので、元はどなたからなのかわかりません。大好物です(カロリー高そう)。ごちそうさま。


欲張り松阪、見捨てるファン

2006年12月12日 | SPORTS
またまたプロ野球離れに拍車をかけるようなことをしてくれてますね。
松坂ではなくあの代理人が異常なんだとか、これが向こうのやり方なんだとか、あるいは実力に見合った金額を勝ち取るのは当たり前とか、いろいろな見方があろうかと思います。
そのへんのところは、あまり興味がありません。
しかし、こういう話はまず日本人のメンタリティには合わないでしょう。
真剣で素振りした王監督の若き日々や、日本での実績を捨てて身一つで大リーグに飛び込んだ野茂とか、大リーグでは通用しないなどと言われながら堅実な守備と勝負強さで活躍した新庄のような、武士道精神とまでは言わなくても、ある種の心意気のようなものを感じて、ファンは応援してきた。
もちろん松阪も、日本だけでなく国際舞台での経験と実績は十分なわけですが、まだ大リーグでは一球も投げていないのに10億じゃ足りない17億じゃなきゃ駄目だって言われてもね。。
これでは「お金が先にありき」としか受け取れない。
いまオファーされてるレベルでも十分すぎるほど高額なのに、それが不満なんだったら、1年目で大活躍して文句を言わさずに倍増させればいいじゃないか。
大体からして、1億2億というお金は、大多数の庶民にとっては生涯かけて稼いで、そのほとんどが生活費や教育費や住宅ローンなどに消えていってしまう、手の届かない金額なわけで。
日曜日にワーキング・プアの特集番組があり最後の方だけみたのですが、その後で松坂の話をきくと、一流選手がその実績に見合った報酬を得るという一般的な事実は理解できても、ただただ白けて気持ちが離れていくだけです。
他のプロスポーツと比べても差がありすぎるし。
西武に戻って恥をさらせばいいんじゃない?

トヨタが消費税を納めていないわけ

2006年12月11日 | 政治・行政
トヨタ自動車は消費税を1円も納めていない。それどころか、2千億円近くの還付を受けているというから驚きですが、そのカラクリについては私は専門家でもないし上手く説明できないので資料を引用しておきます。(浦野広明・立正大学法学部教授の講演録より-青森県保険医新聞掲載)

■トヨタ自動車の消費税・地方消費税概算計算(2004年)
1.課税売上高
 A.総売上高      9兆2183億円
 B.うち輸出売上高   5兆5634億円
 C.差引課税国内売上高 3兆6549億円
2.課税仕入額      7兆5820億円
3.消費税額の計算
 D.輸出販売に対する消費税額=B×0%     0 円
 E.国内課税売上高に対する税額=C×5%=1827億円
 F.仕入れ税額控除額=<2>×5%=   3791億円
 G.差引還付税額=E-F=    マイナス1964億円(還付)
(湖東京至「日刊ゲンダイ」2005年10月27日付を浦野氏が簡略化計算)

同じ趣旨のもので少しデータは違いますが、
輸出上位10社で戻し税1兆円 消費税収の23%が大企業へ トヨタ1社で2,291億円
関東学院大学教授 湖東京至さんが試算

 
要は、輸出製品には外国人から税金を徴収できないので「ゼロ税率」が適用されていること。
実は、これが医療界が求めていることそのものなんです。
普通の商品なら、例えば100円のお菓子を80円で仕入れて4円の消費税を払い、それを定価100円で売って5円の消費税をお客さんから預かる。その差し引き1円を納税する仕組みですよね。
ところが、医療機関では薬や医療機器などを消費税を払って購入し診療に用いるわけですが、患者さんからは一切消費税はいただけない。
そうすると、ナゼか医療機関が最終消費者になってしまうわけです。
これで消費税が3%から5%、10%、15%とどんどん上げられていけば、今でも厳しい医療機関の経営は困難を極めることになります。(最近のデータで中小病院の6割が赤字だとか…)
しかし、今の情勢では「ゼロ税率」が実現する見込みはほとんど「ゼロ」。
トヨタは還付金でがっぽり儲けているのに。(と表現するのが正しいかどうか自信はありませんが)

■非常に高い日本の消費税
      消費税率   国税収入比率
日本     4  %  21.6%
イギリス  17.5%  21.5%
イタリア  20.0%  27.5%
アメリカ   0  %   0  %
(永長正士編『日本の税制』【平成15年版】財経詳報社2003年7月)

「きれいになるわ」福士の金を見逃す

2006年12月10日 | SPORTS
ドーハで開催されているアジア大会ですが、時間帯が悪いのか、TVの放送体制がオリンピックと比べると貧弱で肝腎な競技を放送していないのか(あるいはやっていたのに知らなかったのか)、よくわかりませんが「何も見ていないな」というのが実感。
10日の夕方、やっと男子マラソンを生で見られた。
大崎のラストスパートも、入船の決断と落ちた後の粘りも、見応えがあった。
トップはカタールといってもケニア人ですからね。。
ケムール人ならまだわかるけど。

楽しみにしていた福士の1万メートル金メダルも、再放送もなし。
ニュースでちらっと見ただけ。
丹野の400m胸の差で銅。これもちゃんと見たいのに、400mの映像を途中カットしてつなげるなよ>NHK。

しかし、今回のマラソンのコースはちょっとどうかと思う。
選手も1往復走るだけなら爽快かもしれないけど、あれで42km走るのは。。
見てる方も面白くないし。ちゃんと考えて欲しいですね。
アテネのようなハードなコース&暑さというのも過酷すぎるけど、ある程度コースに変化がないと。。

福士加代子選手
三千、五千の日本記録、ハーフのアジア記録保持者で、1万は渋井に次いで日本歴代2位。
この間、故障もあってアテネでの惨敗、その後の復活劇、いきなりハーフで日本新などもありましたが、大阪の世界陸上で1万の自己記録や日本新を更新するまではマラソン転向はなさそう。(いずれにせよ本人の意志次第ですが)
過去に「乳首3つ分ですね」などの名言(迷言)を残していますが、今回の「1周、1周、きれいになるわ、きれいになるわと思って走った」「自分の腹時計が駄目でした」というのも傑作ですね。
しかし、トラック25周は私も走ったことあるけど、「1周73秒」って呆れるというか考えらんない。。(大体2倍のスピードだ)
そのスピードで「きれいになるわ」ですから。

12月8日を「無煙のまちづくりの日」に(深浦町平沢町長三回忌)

2006年12月08日 | 禁煙・防煙
2004年12月8日に深浦町の平沢敬義町長が亡くなってから2年が過ぎました。
深浦町は昨年岩崎村と合併しましたが、全国に先駆けて2001年に制定した「屋外たばこ等自動販売機撤去条例」そのまま引き継がれています。
しかし、罰則規定がなかったため旧深浦町内でも撤去は進まず、旧岩崎村で合併後の状況がどうなっているのか情報は伝わってきていません。
その後、全国の自治体の中で深浦町に追随する動きはみられず、違法状態のタバコ自販機はFCTC締結後も全く減っていないだけでなく、JTでは未成年の購入を阻止できないICカード式自販機の導入という姑息手段を言い訳にして先延ばしを図り、何があっても違法な屋外タバコ自販機を減らすことはない構えで対抗しており、財務省もそれを認めています。
このような異常な光景が繰り広げられているのは、世界中で日本だけです。

平沢町長はそれまでヘビースモーカーでしたが、健康長寿のまちづくりを進めるにあたって、自ら率先して禁煙しました。しかし、残念ながら肺がんの病魔に打ち勝つことはできず、57歳の若さでこの世を去りました。
平沢町長の「お金よりも町民の健康の方が大事、長い目で見れば町民のためになる」という、為政者として真に町民のことを思いやる姿勢とそれを貫き通した固い意志にあらためて敬意を表したいと思います。
深浦町は、平沢町長による「無煙のまちづくり」によってその名は一気に全国区となり、一度訪れてみたい町として知られるようになりました。
わが国の禁煙運動において重要な礎となる成果を上げ、町民のみならず国民をタバコ病禍から救うために大きな功績をあげられた故・平沢敬義町長の偉業をたたえ、あらためてご冥福をお祈りいたします。

12月8日は真珠湾攻撃(1941年)やジョン・レノン射殺(1980年)の日として人々に記憶されていますが、青森県内の禁煙運動に携わるものとして、12月8日を故・平沢町長を記念した「無煙のまちづくりの日」(仮称)に制定して、私たちに遺された宿題とその達成度を確認しアピールしていく日にしてみたいと(今日になって)思いついて、仲間内にまず提案してみることにしました。

むつ市が東電に買収されたというお話

2006年12月06日 | 環境・エネルギー
青森県内では(もちろん県外でも)何の関心もひいていないようですが、これは自治体が企業に買収された、ということなんだろうと思います。
東電がむつ市に正式に寄付申し出(2006年12月5日東奥日報)
あんまりコメントしたい気分でもないのですが。。
企業から自治体への寄付(しかも12億とか15億といった超高額の)というのは、いったい何なんでしょうね。
従来から、企業が自治体や国を支配するという構図はあったし、今もあります。
もちろん合法的に。(今回の寄付も合法なんですよね)
普通は税金ですか。
特に原子力関係は、核燃税とか、国からの交付金も重なって、それだけで貧乏市町村は企業に頭が上がらない。
タバコ産業では、タバコ税。
わずかばかりの税金のために毎年11万人もの国民の命が失われている。
核燃関係では、自治体だけでなく、地域の行事や市民活動などに莫大なお金がばらまかれている。
これも元はと言えば私たちの税金ですが、それによってお金をもらった団体や人々が実質的に買収されている。

企業が政治家(議員・首長)や役人にお金を出して便宜をはからってもらえば違法ですが、自治体そのものなら、どれほど高額であろうが、どれほど将来の利益を約束されようが、何の問題にもならない。
そして、その結果として、その自治体では少数意見の住民の意見など無視され、ひたすらお金を出してくれる企業の言いなりになる。
まあ、今回のお金が出ようが出まいが、現在でもそうであるという事実に変わりはないのですけれどもね。。
(元はと言えば市の方が企業にたかったという構図なわけですから)

学校で習う憲法の国民主権なんて、お金で簡単に買い取られてしまうんだということを、子どもたちに何て伝えればいいのか。
(そういう社会を残してしまった私たちの責任が問われるはずなのですが。。)

月1キロの減量なんてカンタン(厚労副大臣のメタボ退治)

2006年12月05日 | こども・小児科
話題になっている「厚生労働副大臣のメタボ退治」をみてみると、
目標:月に1kg減量で6か月間で6kg、体重1kg減=腹囲1cm減として、
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(4) 目標達成までに減らさなければならないエネルギー量は?
 6kg×7,000kcal※=42,000kcal
 42,000kcal÷6か月÷約30日=(1日あたりに減らすエネルギー)240kcal
※体重1kgを減らすのに、7,000kcalが必要

(5) そのエネルギー量はどのように減らしますか?
(1日あたりに減らすエネルギー)240kcal
 → 運動で減らすエネルギー量は80kcal(速歩10分、階段昇降5分)
 → 食事で減らすエネルギー量は160kcal(ビールは1日1缶(350ml)まで)
------------------------------------------------------------------------------
なんだ、毎日たった240kcal
=運動80kcal+食事制限160kcalだけで良いんだ。

ただし、カンタンと書いたのは、推測するに次の3条件を満たしている場合。
1)現在、継続的な運動をしていない
2)現在、食事のコントロールをしていない
3)減量するのに十分な余裕がある(=それなりに太っている)

毎日十分な量の運動メニューをこなしている方の場合、更に追加で240kcal運動するのは大変だし、ちゃんと食べないと運動は続けられないから、その状態で240kcal食事制限するのも結構難しいですね。
(ちなみに、アイス1カップで240kcalは吹っ飛んでしまいます)

それから、ビールで食事制限のカロリーを稼ごうとしていますが、これで大丈夫なのかどうか、ちょっと疑問があります。(ビールで太ったのか? ビールの制限でやせられるのか?)
厚労省の管理栄養士がつくったダイエットのメニューのようですが、両副大臣の成果に注目しましょう。

(しかし、この程度の運動と食事メニューじゃ6キロは無理だと思うな、、意識的にこれ以上やるように頑張れば別ですが。。)

幸せの予感 With a Little Luck

2006年12月04日 | ART / CULTURE


きょう、もえちゃんという女の子からいただいた絵です。
こういう瞬間、この仕事をしていてよかったなと素直に思う。
ただし、私をご存じの方はわかるように、こんな幸せな丸顔じゃないし、こんなに可愛くもありません。。(^^;;
でも、とってもうれしい。大事にします。

タイトルは、ウィングスの名盤『ロンドン・タウン』に収録された大ヒット曲。
(邦題のオリジナルはひらがなで「しあわせの予感」)
1978年、高校に入学したばかりの頃よく聴いていました。
同じ年にはボストンの『Don't Look Back』も。
同名で未来少年コナン(1978年)のエンディング曲もあります。
唄っているのは山路ゆう子さん。八戸出身だということを最近知りました。

浅田真央と村主章枝

2006年12月03日 | SPORTS
NHK杯で男女とも日本人が表彰台独占。日の丸が3つというと札幌を思い出すのは私たちの世代まででしょうか。それはともかく、
光り輝くような演技で1位となった浅田真央選手と、若干の乱れはあったものの見事なスケーティングで2位になった村主章枝選手。(以下敬称略)
真央が1990年9月25日生まれの16歳、村主は1980年12月31日生まれの25歳。
ちょうど10歳違いますが、私たちがこの2人の演技を一緒に観る幸せな機会がこれからも続くことを期待したいですね。
村主は荒川とのライバル関係の中で、長野には出場しそびれ、ソルトレイクとトリノの2つのオリンピックで連続入賞、足かけ3つのオリンピックの時代にトップを保ち続けて、更に次のバンクーバーまで現役を続けるという。
(私もずっと村主のファンでした)
真央は、昨年のグランプリファイナルで優勝しながら年齢制限でトリノに出場できず、3年後を見据えて世界のトップを維持し、どこまで成長し続けることができるか。
しかし、いつの間に日本人のスケーターはこんなに見事なスケーティングができるようになったのでしょう。
昔は、日本人の演技というと、
・選曲が悪い
・振り付けがダサイ、あるいは、何もしてなくてジャンプの準備をしている時間が長く退屈
・表現力が不足していて、手や体は動かしているが踊りになっていない
といったのが定番の評価でした。失礼ながら伊藤みどりの時代までは。
変わったのは佐藤有香の美しいスケーティング以降。
そして、いまのような日本フィギュア全盛とも言える時代をつくってきたのは、間違いなく村主と荒川の2人でしょう。
村主の美しさと表現力、真央ちゃんの驚くような輝き。
(感嘆符)

男子には言及できませんでしたが高橋も素晴らしかった。

八戸の産科医療崩壊をくい止めるために

2006年12月01日 | こども・小児科
19日に開催された八戸医学会で「日本医師会における医療安全に関する取り組み」と題して日本医師会常任理事の木下勝之先生(順天堂大産婦人科教授)の講演があり、現在の医療崩壊の危機をどう防ぐかという緊急課題についてのお話と出席した医師からの熱心な議論がありました。

ちょうどニュースになっている「無過失補償制度」についても導入の経緯などが詳しく説明されたのですが、説明しようとすると長くなるので記事のリンクだけで失礼します。

特に、現在の産科医療を取り巻く厳しい環境(何かあれば医療訴訟だけでなく刑事事件の犯人として逮捕されるという事態)の中で、産科医療の崩壊が急速に進んで悪循環から抜け出せなくなっている。

その中で、八戸市の産科医療の現状と将来についての発言がありました。
「産科医療の崩壊」と言っても上十三とか他の地域の話で、この地域の中心である八戸ではまだ大丈夫、などとのんびり構えていたら大変なことになりそうです。

ご存じのように労災病院では産科医が1人になってお産をいったん取りやめましたが、最近になってリスクの少ない分娩だけを再開しています。
市民病院も以前より少ない産科医で頑張っている。
市内の開業医で実際にお産をしているところは限られているのですが、この秋に一件が分娩を取りやめました(実はそこが一番若手)。
その他の産科医も3年後、5年後にはある程度以上の年齢となるため、いつまで続けられるかはわからない。
実際に数年後にお産をやめることを表明されている先生もいるとのことです。
これから開業する若手がいたとしても、現在のような状況では新たにお産を扱うことは非常に考えにくい。

そうなってくると、音を立てて崩れ落ちるように八戸の産科医療が崩壊していく事態も、決してあり得ない話ではない。
というよりも、目前に迫った危機です。
この2年間で何とか目処を立てることができなければ、一気に現実のものとなる。
残された大病院の産科も対応しきれなくなる。
勤務医の労働環境も更に悪化し、退職して開業する産科医が続出すれば悪循環が更に加速する。

安心して赤ちゃんを産むことができないまちに、未来はありません。
少子化対策とか、まちづくりとか、地域コミュニティ再生とか、いくらそんなお題目を唱えていても、産科医療が崩壊すれば一気にまち全体が滅びへの道を辿ることになります。
(大げさじゃなくてホントに)
もちろん小児科医も一蓮托生。

これは八戸に限った問題ではありませんが、この地域において、言葉は悪いかもしれないけど「八戸が最後の砦」という状態を何とか維持しなくてはいけない。
(他の地域がどうでも良いという意味ではなく)
いまがその瀬戸際。

恐ろしい話だし、すぐに効く特効薬はない。
地域における取り組みといっても限界があり、冒頭に書いたような国レベルでの様々な方策も必要。

何よりも、今の厳しい医療費抑制政策を転換することから始めないとどうにもならない。
絞るだけ絞り上げておいて、地方の医療が厳しいからそこに若い医者は行くべきだなんて徴兵制みたいなことを言っても、誰も見向きもしない。

ほとんどの医師が、この国の医療環境は今後も悪くなる一方で将来に希望が持てないと感じている中で、保身を第一に考えるのは当然の選択でしょう。

全国知事会議で尾身財務相が「地方の医師不足は天災ではなく人災だ」と言っていたようですが、要するにこの事態は政府の失政が原因だと公式に認めたわけですね。