今年もあと2日をのこすだけとなりました。今年はいろんな準備がうまく進んで
おせち料理も、いちばん面倒な「きんとん」と「ぶどう豆」ができあがりました。
自分で言うのは自慢めきますが、両方ともここ数年来の会心のできでした。
同じお金と労力と時間をかけて、出来、不出来があるのは、毎年のことです。
おせちは、前記ニ品のほか、紅白なます、お煮しめ、かずのこ、田作りです。
お煮しめは、しいたけ、れんこん、ごぼう、こんにゃく、にんじん、さといもを別々に
煮て、それにえびを煮て炊き合わせにします。青みは三度豆の塩茹でにします。
昨年までは、これにニシンの昆布巻き、酢レンコン、金柑の甘煮、かぶの三杯酢
に焼き鯛や、ぶりの照り焼きなどが加わりました。
お雑煮も車えびや、焼きあなごなど9品を使いましたが、鶏肉と水菜だけにします。
鶏肉は、さつま地鶏・・おいしいが硬いかしわの肉、脂身がほとんどありません。
もうひとつは、だいこんとにんじんで白味噌仕立てにします。
シンプルなだけに、お出汁はしっかりと、おいしい出汁をとります。
つけだしと言って、こぶといりじゃこ=いりこの頭と腸をとったのを、16時間水に
漬けてとります。時間がたって味見して、おいしければよろしいが、昆布もいりこも
一様でないので、もの足りない味なら、弱火にかけて味を引きだします。それでも
もの足りないときは削りかつおか、鰹まるを使うことになります。
ところで、関西では「おもち」のことを「あも」と言い「かちん」とも言います。
おもち入りの「うどん」「そば」を「かちんうどん」「かちんそば」といいますが、語源は
あもは「あんもち」の略だそうで、「かちん」は御所の女房ことばとききました。
かちんは「歌賃」とかき、そのむかし日照りを救うためある法師が、雨乞いの歌を
よんだところ、霊験があったので法師をお餅をついてもてなした、すなわち「歌賃」の
字を充て・・(辻嘉一著・味覚三昧より)とありました。
・・・この一年、拙いレシピをお読みくださいまして、ありがとうございました。
皆さま、どうぞ、良いお年をお迎え下さいますよう、お祈り申し上げます。
お雑煮と言えば、これまでは具たくさんにして来ましたが、寄る年波でシンプルなのにしょうと思いました。
ふたいろのお雑煮は、おすましとしろ味噌仕立てです。なんでもちかごろのお雑煮は具たくさんがはやり
だそうですが、それに逆行するかもしれません。シンプルなだけにお出汁はしっかりととりました。
共通の材料
だし:
こんぶ 20cm 15g
いりこ 30尾 15g いりこは頭と腸を取った正味です
水 1000cc
出汁はつけ出汁・・・水にこんぶといりこを16時間漬けてとります。
こもち:
1人分 小ぶりなもの 2こ
すましは焼きもち、しろ味噌仕立てはお湯でゆでます
若水菜とかしわのすましのお雑煮
材料
かしわ 80g 昔ながらのかしわ・・かたいので薄く切ります
若水菜 1株 タネまきから45日くらいの若水菜を使います
だし 400cc
酒 大さじ 2
淡口 大さじ 2
作り方
かしわは出汁と淡口でサッと煮ておく。
水菜はしお茹でして、ざるに上げ、3cmに切る。
出汁と酒と淡口で、吸いかげんのつゆをつくる。
そのあいだにおもちを焼いておく。
おわんに、焼きもちと水菜とかしわをおき、つゆをはる。
かしわと水菜を別々に煮るのはつゆがにごるのを防ぐためです。
こだわらなければ、出汁にかしわと水菜を一緒にして煮てもよい。
にんじんとだいこんの白味噌仕立てのお雑煮
材料
にんじん 5cm 60g 皮むきして5mm.の半月に切る
だいこん 4cm 100g 皮むきして5mm.の半月に切る
だし 400cc
しろ味噌 大さじ 4 100g
作り方
にんじんとだいこんを中火で柔らかくなるまで茹でる。
だいこんは、薄いしろ味噌のつゆで煮て下味をつける。
出汁を沸かせてしろ味噌を溶かし、つゆをつくる。
面倒なら、いきなり出汁で煮て白味噌を加えてもよい。
おもちを、お湯で柔らかく煮て、おわんにうつす。
だいこんとにんじんを加えて、熱い白味噌のつゆをはる。