レシピは、春のつぼみ野菜のおひたしと煮ものです。つぼみ菜は読んで字の
ごとし・・アブラナ科が董立ちして、花が咲くまえのつぼみを摘みとったもので
今ごろ出さかりの、「菜の花」のつぼみが代表格です。ブロッコリーもそうです。
つぼみ菜は、野菜が力をためて、子孫をつくる営みの素だけに食べると力が
つくと言われます。実際に食べて力がつくかどうかわかりませんが、からだに
良さそうだ・・ということはわかります。
つぼみ菜の料理を、別名で「茎立ち料理」と言いますが、茎たち=「くきたち」と
読まず「くくたち」と読むのが正しいといいます。名目読みといって、習慣癖から
呼ぶ名残りで、「吾輩は猫である・9」に、その講釈が出てきます。「猫」は私に
とって、雑学大全みたいな書物で、一字一句が面白い本です。
名目読みは、習慣癖からの呼び名ですが、人の名前もそうです。銀行を退職し
て次の会社に勤めたころ、上司の麻雀友達に「松井」さんという方がいました。
普通に読めば「マツイ」さんですが、このかたの名をいうとき、その上司は決ま
って「マッツィさん」と言いました。耳に入ると「マッツさん」と聞こえました。
これなんかも、習慣癖の「名目読み」かもしれません。「猫」には杉原という人の
名を、「すいはら」と読まないといけない・・というセリフがあります。名目読みの
講釈の「URL」を最終行におきました。興味があるかたは、ご一読ください。
食料野菜のつぼみなら、大抵のものはおいしくたべられると思います。つぼみが過ぎて花になっても
りょうりに活用できる・・サラダのトッピングに、色とりどりの花をのせると、それだけできれいで楽しい。
今なら、レンゲやたんぽぽの花を、薄いころもで天ぷらにするときれい・・その他の花も利用できます。
材 料 つぼみ菜 200g ・・・好みの菜の花をつかう
しろ菜、壬生菜、こまつ菜など
和え衣 すりゴマ、練りごま、削りかつお、からしみそなど好みの
和え衣を使う。削りかつおで和えるのが簡単でおいしい。
つぼみ菜は、やわらかいのですぐに火が通る。
おいしく作るには、ゆですぎないこと・・です
茹でるときは、たっぷり目の湯で茹で、一呼吸
して引きあげる・・ザルにとってそのまま冷ます・・
または、氷を入れた冷水に入れて色止をする・・
ここは、好みのやり方で下こしらえします。
和え衣 一番簡単なのは、削りかつおとお醤油であわせる・・
からし和えも、簡単な部類に入る・・溶きからしと
適量の出汁しょうゆで和えるだけ・・これがからし和え。
ゴマ和えも、すりゴマだけで和えるなら、簡単な部類に
入りますが、練りゴマを使うと、すこし複雑になります。
練りゴマそのものを、あぜ合わせるだけでも、時間が
かかる・・そのあと、すりゴマと和えたり、出汁しょうゆと
まぜあわせて、和え衣をつくる・・なかなか手がこんだ
和えものです。それだけにできあがりはおいしいです。
おいしく作るには、茹ですぎないことが一番。
次に、薄味にしあげ、野菜の旨みをひきだすこと・・です。
新鮮な野菜は、茹でただけでもおいしい・・和え衣は
野菜の味を引き立たせる役割・・と思ってつくります。
調味料は、お好みに応じて、おつくりください。
URL 名目読み・・沢庵禅師 結縄集・・棗夏目漱石「我輩は猫である・9」より