今、自分にとっての課題は暮らしの見直しである。どのように毎日を送りたいのか、自分のなかでもはっきりとしたものが無い。毎日のように美術館へ通い、時間というフィルターを通過した作品に触れると、それらを造った人々の生き方まで伝わってくるような気がする。物には単なる物理的特性を超えた何かを発現する力があるのだろう。もちろん、解釈するのは見る側の勝手で、それが必ずしも造り手の意図と一致するわけではない。しかし、目の前にある物の背景にある様々な情念や哲学を感じようとする姿勢は、生活を豊かにする一助になると思う。