熊本熊的日常

日常生活についての雑記

五島美術館

2006年05月31日 | Weblog
住宅街のなかにある小さな美術館で充実した展示を鑑賞すると、日本はつくづく豊かな国だと思う。美術館の運営は、どう見ても商業ベースには乗らないと思うが、心ある人々の努力で支えられているのだろう。

五島美術館は上野毛の住宅街にある。駅から近く、繁華街からは遠い。便利でありながら過剰に人が集まることもない。展示作品と静かに向き合うことができる。鑑賞に疲れたら、気分転換に広くて起伏に富んだ庭園を散策することもできる。

今日は収蔵品のなかから、日本画と書道用具を展示していた。川合玉堂の荘厳、奥村土牛の空、小林古径の華、横山大観の力、どれもが観る者を引きつけて放さない。山口蓬春の世界もいい。作品を眺めているだけでも飽きることはないのだが、作品を描く筆の動きを想像していると時間は瞬く間に過ぎてしまう。

庭園も仏像も良い。どこか頼りなさげなところが、かえって癒される。