1月3日付「絶対尺度」のなかで触れた「君はなぜ絶望と闘えたのか」を読んだ。齢を重ねて涙腺がゆるくなっている所為もあるのかもしれないが、読んでいて涙と洟水がとまらなくなってしまうところが多く、時に号泣したくなるのをこらえながら読了した。
文章としてはジャーナリスト風の「売らんかな」的な書き方だと思う。この点だけで自分のなかに拒絶反応が生じてしまい、普通なら最後までは読み通せなかったと思う。しかし、その内容に惹き付けられてしまった。
妻子を殺害された人の、その後の犯人との闘いを追った内容だが、そこに見えるのは、その人の思考の歴史と、その思考に影響を与えた様々な人々の生き方である。そして、思考を極めて得た思想こそがなによりも強く生を支えるということを感じた。
小児科病棟での病人仲間の死、仕事や職場というものの在り方に確たる考え方を持つ職場の上司や検事、世の中にある数多の不条理。そうしたものとの関わりのなかで、命とか生きるということについての哲学のようなものを深めていく過程が興味深い。
なぜ読んでいて号泣したくなってしまうのか、生を支える思想がいかなるものなのか、残念ながら私の拙い文章力では、言葉を重ねるほどに事の本質から外れてしまいそうなので、ここに書くことはできない。ただ言えることは、人はひとりで生きているのではないということだ。多くの人との関係のなかで生かし生かされている。その「生かされている」ということを実感するのは容易ではないが、そういう感覚の有無によって、他人との関わり方が自ずと違ってくるのは確かだろう。
ちなみに、死刑制度に対する考え方は、この本を読む前後で変化はない。今も「絶対尺度」と同じことを考えている。
文章としてはジャーナリスト風の「売らんかな」的な書き方だと思う。この点だけで自分のなかに拒絶反応が生じてしまい、普通なら最後までは読み通せなかったと思う。しかし、その内容に惹き付けられてしまった。
妻子を殺害された人の、その後の犯人との闘いを追った内容だが、そこに見えるのは、その人の思考の歴史と、その思考に影響を与えた様々な人々の生き方である。そして、思考を極めて得た思想こそがなによりも強く生を支えるということを感じた。
小児科病棟での病人仲間の死、仕事や職場というものの在り方に確たる考え方を持つ職場の上司や検事、世の中にある数多の不条理。そうしたものとの関わりのなかで、命とか生きるということについての哲学のようなものを深めていく過程が興味深い。
なぜ読んでいて号泣したくなってしまうのか、生を支える思想がいかなるものなのか、残念ながら私の拙い文章力では、言葉を重ねるほどに事の本質から外れてしまいそうなので、ここに書くことはできない。ただ言えることは、人はひとりで生きているのではないということだ。多くの人との関係のなかで生かし生かされている。その「生かされている」ということを実感するのは容易ではないが、そういう感覚の有無によって、他人との関わり方が自ずと違ってくるのは確かだろう。
ちなみに、死刑制度に対する考え方は、この本を読む前後で変化はない。今も「絶対尺度」と同じことを考えている。