熊本熊的日常

日常生活についての雑記

行く人来る人

2009年01月21日 | Weblog
帰国して10日が経ち、住む場所の目処も立ちつつあるので、日頃会う機会のない友人知人に挨拶状のメールを送った。それほど頻繁に交流があるわけでもない人たちなので、共通の文章で33の宛先に一斉送信したところ、宛先不明となった先が5件あった。うち4件は職場のメールであり、さらにそのうちの3件は自分の同業者である。その人たちが今どうしているのか知らないが、改めて今自分が置かれている危機的状況を感じないではいられなかった。

身体一つで1日24時間という制約のなかで、人と知り合い、交友を深めていくというのは容易なことではない。よく「人脈」という言葉を耳にするが、その意味するところが未だに理解できない。そもそも自分自身を理解することすら難儀なのに、他人のことなど容易にわかるはずがない。

何年か前に思うところがあって日記を付け始め、それとは別にブログも始めた。日記は個人的なものなので、それほど考えもなしに思いついたことを書き留めているだけだが、ブログは不特定多数の目に晒されるものなので、それなりに考えて書いているつもりである。昨年4月14日からは毎日更新しているが、わずかに10ヶ月の間ですら、書いている自分自身の考え方に変化があることが自覚できる。もちろん、それは微妙な変化でしかないのだが、それが積み重なれば大きな変化である。

今の自分は過去の経験や体験の積み重ねの上に生きているが、過去の自分とは別人である。しかも、その変化の方向性は予測不可能だ。過ぎてしまった事実は変えようがないが、先の事は人や出来事との出会いによって思わぬ方向に展開することだってあるだろう。過去の事実にしても、それをどのように解釈するかというのは現在の課題だ。今の自分がどのような思考をするかによって、過去の評価さえ変わるのである。

齢を重ねて自分とは結局は空なのではないかとの思いが強くなってきたからこそ、実体を感じることのできるものに惹かれるようになった。人付き合いにおいては、直接相手と対面するという機会を大切にしたいと思う。遠距離にいて物理的に対面することが能わない相手に対しては、メールよりは手書きの郵便を使うように心がけたいと思う。関係の広さも深さも同じくらい大事だが、とりあえずは今目の前にあるひとつひとつを大切にしていきたいと思う。