熊本熊的日常

日常生活についての雑記

それでも花は咲く

2009年04月04日 | Weblog
東京では4月2日にソメイヨシノの満開宣言が出された。その後、昨日今日と暖かな日和となったので、早くも花の間から葉が出始めている。それでも、まだ今日あたりの桜は満開のうちだろう。

酒を飲むことは殆どなく、人付き合いも活発なほうではないので、花見酒など無縁である。教養も無いので草木の名前なども知らないし、それほど関心もない。それでも、こうして桜が咲いていれば、不思議のその下を歩いてみたくなるものである。

東京国立博物館で月例講演会を聴講した後、館の裏にある庭園を散策してみた。ここにはミカドヨシノ、オオシマザクラ、ケンロクエンキザクラ、エドヒガンシダレ、ヤマザクラ、ギョイコウザクラ、カンザン、ショウフクジザクラなどの桜が植えられている。博物館の庭園なので、さすがに木の下にシートを敷いて酒盛りというわけにはいかず、花を観賞するには快適な場所である。

彼岸を過ぎて日の長さが感じられるようになり、気候は不安定ながらも、草木が花をつけるようになると、そこに明るい時代が到来するかのような高揚した雰囲気のようなものが感じられる。たとえ不景気であろうと、現実の生活が厳しかろうと、それは毎年変わらないような気がする。

もちろん、咲いたものは必ず散る。しかし、散りっぱなしというわけではない。花の後には葉が広がり、長くなった日照時間を活用して栄養を溜め込み、成長や生殖につながるのである。見た目ではわからないが、見えないところで未来に備えている。そうすれば、また花が咲くのである。