万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ロシアの核使用準備-NPT体制を自ら壊す核保有国

2015年03月16日 15時25分17秒 | 国際政治
プーチン氏「クリミア編入時、核を戦闘態勢に」(読売新聞) - goo ニュース
 ロシアによるクリミア編入に際して、プーチン大統領は、核の実戦使用を準備していたことを明らかにしました。この発言、NPT体制の将来に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 NPT条約とは、国際社会の主権平等を原則からしますと、例外を認めた極めて稀な条約です。締約国が合意の上で核保有国と非保有国を認めた理由は、核保有の特権には相応の義務が伴うとする暗黙の合意があります。核保有国は、特別に核の保有を認められる代わりに、核拡散を防止する義務があるからです。しかしながら、NPT条約の条文には、核保有国による核の先制攻撃を禁じる文章は見当たりません。核保有国が、核の使用を控えるとする非核国の期待は、条約において明文化はされてはいないのです。それ故に、法の隙間を縫うように、核保有の特権を軍事的な攻撃目的で使用しようとする核保有国が現れることになります。ロシアは、自らその意思を明かしましたが、おそらく、中国もまた核ミサイルの照準を日本国の都市に合わせいることでしょう。今回の事件は、非保有国が核保有国から核攻撃を受ける可能性を飛躍的に高めています。

 こうした核保有国による攻撃的な核使用は、NPTの直接的な違反ではありませんが、NPT体制の基盤となっている核保有国と非保有国との間の非対称的な権利・義務関係を根底から掘り崩しています。ロシアの行為は、義務の放棄という意味において、核保有国の特権の見直しを自ら提起することになるのではないでしょうか。

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法の支配を共有しない中国は侵略を語れるのか?

2015年03月15日 15時19分46秒 | 国際政治
安倍首相の戦争認識けん制=「歴史の責任負え」―中国首相(時事通信) - goo ニュース
 全人代の閉幕後の記者会見において、李克強首相が”歴史の責任を負え”と述べ、70年談話に際して村山談話の踏襲を日本国に求めたと報じられております。中国は、何としても、第二次世界大戦を日本軍による”侵略と植民地支配”と総括したいようなのです。

 しかしながら、”侵略と植民地支配”への批判が、法の支配という価値と不可分に結びついていることを考えますと、この価値を共有していない中国に、他国、しかも、過去の出来事に対して侵略批判をする立場にあるとも思えません。侵略行為が犯罪視されるようになるのは、国際法が整い、国家の権利が法的に保障されるに至ってからのことです。中国大陸では、その歴史の大半は異民族王朝が占めており、清国もまた女真族(満州族)が建国した国でした。異民族支配は、今日でいえば”侵略”なのですが、力の論理が支配してきた中国大陸では問題視されることはなく、1949年の中国共産党による政権奪取もまた人民解放軍による暴力革命を手段としています。日中戦争時にあっても国民党との内乱状態にあり、共産党自身が武装勢力として戦闘を繰り広げているのです。力でしか解決できない分裂状況であったことを忘れて、法の支配を前提とした価値観で日本国を糾弾するならば、当然に、その批判はブーメランのように自らにも返ってくるはずです。実際に、国際法違反を繰り返し、周辺諸国に脅威を与えている中国に対して、国際社会から”現在の責任を負え”との声が上がっております。

 侵略の違法化は国際法の歩みと共にあり、今日の国際法に照らせば、チベットやウイグルの領土併合こそれっきとした侵略行為です(中国は、『十七条協定』を反故にしている…)。中国は、侵略とは何かを、そして、何時、侵略が違法化されたのかを、法的、かつ、明快に説明することができるのでしょうか。

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第二次世界大戦-ドイツにはない日本国のアジアをめぐる葛藤

2015年03月14日 15時26分53秒 | 国際政治
 第二次世界大戦をめぐる評価に関しては、今夏に予定されている70年談話にも注文を付けているように、常々、中韓は、ドイツと比較して日本国には反省が足りないと責め立てます。戦争に至るまでの過程において日独の間には幾つかの違いがありますが、主要な相違点の一つとして、ドイツには、日本国が抱えていたようなアジアをめぐる葛藤が存在していなかったことを挙げることができるのではないかと思うのです。

 明治維新後の日本国は、鎖国政策を放棄して国際社会の一員となるに際して、二つの問題に直面することになります。欧米列強諸国との不平等条約の締結を以って開国がなされたことは、日本国の国際社会における地位の低さを示していますし、当時のアジアは、植民地化されているか、あるいは、清国や李朝の如く、前近代的な専制体制がもたらす停滞と無気力に覆われていたからです。このため、日本国は、欧米列強と肩を並べ、植民地化されることなく、独立国として国際社会の一角を占めること、そして、アジア諸民族の期待に応えるべくアジアの未来を開くこと、この二つを、国家の目的として意識するようになります。後者の目的は、さらに、植民地支配からの解放と中韓の近代化に分けることができるかもしれません。つまり、戦前の日本国は、(1)国際社会における栄誉ある大国となること、(2)植民地支配を終焉させること、(3)中国大陸と朝鮮半島に安定と秩序をもたらすこと、の三つの目的を同時に追求したのです。しかしながら、これらの3つの目的を同時に達成することは、当時にあっては、実のところ、極めて困難でした。そして、この3つの目的の間の綱渡り的な日本国の対外政策は、第二次世界大戦を以って総決算を迫られることになるのです。

 日本国は、第2の目的のために大東亜共栄圏の建設を掲げて米英蘭に戦いを挑みますが、連合国の視点からは、強欲な日本国が第一の目的を追求し、自らの支配領域を拡大したに過ぎないと決めつけられます。そして、第三の目的の追求は、結局、満州事変から日中戦争へと続く戦争をもたらし、ここでも、第1の目的のために侵略戦争を遂行したと断罪されます。平和裏に併合した韓国にまで、日本統治時代の近代化の功績は消し去られ、残酷な植民地支配として糾弾されているのです。第1の目的があったことは否定はしませんが、アジアの国であるからこその日本国の葛藤は、今日なおも、全く理解されておりません。当時、日本国が、有色人種の期待を一身に背負った国であり、それ故に先駆者としての使命感を抱いていたことは、第二次世界大戦の理解には欠かせない側面ではないかと思うのです。

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日本国がアメリカに復讐しない理由

2015年03月13日 15時44分17秒 | 国際政治
 外国を訪れた日本人は、しばしば”何故、日本国はアメリカに復讐しないのか”と尋ねられることがあるそうです。都市の無差別空爆を受け、原爆を二発も投下されたというのに…と。

 日本人が復讐心を抱かない理由は、GHQによる徹底した占領政策や贖罪意識の植え込みといった点が指摘されてきましたし、日本人の気質として、”勝負は時の運”として潔く負けを認めるところもあります(戦国時代を通り抜けた日本人は、憎悪の感情を抜きにして、合理的な判断による同盟の組み換えがあることもよく理解している…)。加えて、昨日の記事で述べた世界ヴィジョンにおける戦争目的の達成も、日本人の多くに心理的な影響を与えたのではないかと思うのです。”負けて勝つ”という言葉がありますが、戦争の結果、アジア諸国の多くが独立したことは、日本国にとりましては何よりの朗報でした。闘った甲斐があったことが証明されたからです。日本国の戦争は、国力を考えれば、無謀な戦争であったと批判されているものの、仮に、あの時に米英蘭と激突していなければ、現在の世界地図は、随分と違ったものとなっていたことでしょう。日本国もまた、台湾や朝鮮半島といった海外領土や権益を全て失いましたが、日本人の殆どは、それを当然のこととして受け止めたのです。

 今日、日本国内では、”日米開戦に際して戦争回避の方法はなかったのか”という自省的な議論が盛んになされつつ、”しなくて済む戦争であったのか”という疑問も頭を過ります。先の戦争においては反省すべき点も多々あるのですが、アジアにおける第二次世界大戦には、ヨーロッパ戦線にはない問題が含まれていたことも事実です。”侵略戦争”とい言う言葉で第二次世界大戦における日本国の行動を全否定することは、戦争において日本国、並びに、日本国国民が払った犠牲を、全てに無しまうことになるのではないかと思うのです。

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第二次世界大戦を二国間関係に矮小化した村山談話

2015年03月12日 15時21分55秒 | 国際政治
官房長官「自分でも談話出したのに」 小泉元首相に反論(朝日新聞) - goo ニュース
 第二次世界大戦から70年を迎えた今年、安倍首相による談話の発表が予定されております。70年談話をめぐって特に関心を集めているのは、村山談話に見られる”侵略と植民地支配”の文言の行方です。

 村山談話は、先の大戦を、日中、並びに、日韓の間の二国間関係からしか理解していないように思われます。そうであるからこそ、今なお、談話の発表に際しては、中国と韓国だけがとりわけ神経を尖らせ、国際社会もまた、日本国の談話は日中、並びに、日韓関係の問題として注目しているのです。しかしながら、第二次世界大戦は、その名の通り”世界大戦”であって、日中戦争はその一部ではあっても二国間に限定された戦争ではなく、ましてや、韓国併合とは直接的な関係はありません。”世界戦争”とは、各国の世界戦略、いわば、あるべき世界ヴィジョンをめぐる戦いであり、二国間関係からこの戦争を理解することは世界大戦の理解を著しく歪めかねません。日本国が、”戦争に負けても戦争目的は達成した”と称されるのは、戦後、植民地支配が終焉を迎えたからであり、日本国民の多くは、この結果に満足しております。米英もまた、戦勝国として大西洋憲章で掲げた目的の大半を達成したのですから、理想の実現に近づいています(もっとも、植民地は手放すことになりますが…)。そして、ドイツもまた、今日、押しも押されぬヨーロッパの大国として復活したのですから、第一次世界大戦の敗戦による屈辱を半ば晴らしたと言えるかもしれません。完全ではないにせよ、第二次世界大戦後の国際社会は、戦勝国であれ敗戦国であれ、共にウィン・ウィンであった面も否定はできないのです。仮に、第二次世界大戦によって目的を達成できなかった国があったとしますと、それは、ソ連邦といった共産主義国家です(共産党支配下の現在の中国もまた、法の支配を基調とする国際秩序に不満…)。戦争の混乱によって、全世界を赤化することはできなかったのですから(故に冷戦が発生…)。

 村山談話は、第二次世界大戦を二国間関係に矮小化することで、日本国が多大な犠牲を払ってまで戦争を遂行した大義までも否定し、単なる”侵略戦争”に貶めてしまったように思われます。70年談話では、第二次世界大戦を矮小化された”二国間史観”から解き放ち、真の人類史的な意義を語っていただきたいと思うのです。

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後藤氏殺害目撃証言の謎

2015年03月11日 14時46分33秒 | 国際政治
【イスラム国事件】「撮影のためとだまし犯行」 後藤さん殺害「目撃した」とする元通訳証言、アラブ名を付け協力強いる(産経新聞) - goo ニュース
 ISILによる人質殺害事件は、動画がネット上にアップされたことで、その残虐な手口が印象付けることになりました。この事件について、英国のメディアが、元通訳を名乗る人物による殺害現場の目撃証言を放送したそうです。

 証言の主たる内容は、殺害を前にして人質たちが落ち着いているのは、処刑シーンの撮影のためであり、実際には殺害はしないと騙していたからである、というものです。この人物、元通訳という肩書ですが、国籍等の身元がはっきりせず、ISILから狙われるようになったため、逃げ出してきたと説明しています。証言が事実であれば、ISILの非道な手口をリークしたことになりますが、事実であっても、偽証であっても、幾つかの謎が残ります。事実である場合には、人質達は、実際には殺されないと分かっていて、撮影に協力したことになります。何度も練習したというのですから。落ち着いていたとはいえ、迫真の演技です。また、元通訳のリークが偽証であり、かつ、ISILによる意図的な情報流布作戦であるとしますと、この証言は、後藤氏殺害の信憑性と関連しているかもしれません。動画には、実際の殺害シーンはカットされており、殺害後の映像も、何らかのトリックや画像処理を使えば偽造することができます。動画の公表時から信憑性に関する疑いも指摘されていましたので、現場の目撃者を登場させることで、根強く残る後藤氏生存説を打ち消したいのかもしれないのです。

 何れにしましても興味深いことは、ISIL自身が、”やらせの処刑”という手法を十分に認識していることです。そして、元通訳の背景が怪しければ怪しいほど(ISILの手先…)、後藤氏生存も、あり得ないことではないように思えるのです。

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報道すべき米紙の慰安婦20万人説への疑問記事

2015年03月10日 16時06分24秒 | 国際政治
<日韓「歴史戦争」>日本人はもっと積極的に各国に主張を訴えよ〔1〕/ケント・ギルバート(弁護士、タレント)(Voice) - goo ニュース
 日本国のマスコミに対する批判点として、しばしば指摘されるのが”報道しない自由”の問題です。”報道しない自由”とは、政府に対して報道の自由を主張する一方で、自らの報道姿勢に反する情報は、たとえ事実であったとしても、国民に知らせずに握りつぶしてしまう行為を意味しています。つまり、民間の報道機関が自ら情報の検閲を実施し、”報道統制”を行うのですから、政府による情報統制と変わりはありません。

 最近、”報道しない自由”の問題を痛切に感じたのは、慰安婦問題に関するニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストの論調の変化です。ケント・ギルバート氏が自身のブログの記事で紹介したことで日本国内でも知られるようになったのですが、両紙は、今年に入って慰安婦20万人強制連行説に疑問を呈する記事を掲載したそうです。従来であれば、日本国のマスコミは、海外メディアが慰安婦問題を取り上げようものなら、些細な記事でも飛びつくようにして自社の紙面で報道、あるいは、転載しておりました。ところが、海外メディアの論調が日本批判ではなく、逆に、日本国の主張に理解を示すものであることを知った途端に、掌を返すように報道を止めてしまったのです。仮に、ケント・ギルバート氏がブログで紹介しなければ、日本国民の多くは、慰安婦問題について海外メディアの論調に変化があったことを知らぬままでいたことでしょう。氏には感謝申し上げる次第ですが、日本国のマスコミによる”報道しない自由”という名の報道統制は、国民に正しい情報を提供すべき報道人として職業倫理にも反しております。

 米国では最もリベラルとされる両紙が、常識と理性に照らして慰安婦20万人説に疑問を呈したことは、アメリカのマスメディアでは、軌道修正をも厭わない健全な批判精神が息づいていることを示しております。日本国のマスコミも、イデオロギーの虜になることなく、また、”報道しない自由”を濫用することなく、国民に対して誠実に情報を提供する報道人の使命を取り戻していただきたいと思うのです。

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味方でも敵でも危ない不穏な韓国

2015年03月09日 15時51分06秒 | 国際政治
米韓関係強化の契機=リッパート大使見舞う―朴大統領(時事通信) - goo ニュース
 リッパート駐韓大使がテロリストに襲撃された事件の衝撃が冷めやらぬ中、入院中の大使を朴大統領が見舞ったことで、米韓関係の強化が確認されたと報じられています。この事件、これで一件落着とはいかないように思えるのです。

 事件後、ケリー米国務長官から厳罰を求める要望があったとは報じられていますが、本事件が将来の米韓関係に与える影響をどのようにについては、アメリカ政府からの公式のコメントは未だ出されていないようです。それにいたしましても、韓国との関係は、まことに頭が痛い問題です。事件の起きた講演会の主催団体は親北派であると同時に、朴大統領の支援団体でもあったとの情報もあります。このことは、韓国国内には、大規模な親北組織が既に広範なネットワークとして形成しており、政権中枢まで影響力を及ぼしていることを意味します。しかも、テロや暴力までも手段としているとしますと、仮に第二次朝鮮戦争が起きるとしますと、在韓米軍は、韓国領域にあっても安全は保障されず、テロ攻撃に晒される可能性があります(日本国内の米軍基地も危ない…)。また、軍内部にも親北勢力が浸透しているとしますと、韓国軍寝返りのリスクもあります。そして、第二次朝鮮戦争ではなく、米中戦争が発生した場合には、親中路線に傾いてきた韓国が、最後までアメリカ陣営の一員として闘うのか、日本国もまた不安に苛まれます。米中戦争の場合には、日本国も日米安保の発動により交戦国となっている可能性があり、最悪の場合には、背後から韓国軍に撃たれるかもしれないからです。

 地政学的には韓国の地は重要であっても、安全保障体制を構成するメンバーとしては、韓国という国は、あまりにリスクが高すぎます(虚偽の情報発信も多い…)。この事件の背景は詳らかではありませんが、韓国国内の情報分析の次第では、防衛線が釜山となるシナリオも検討すべきではないかと思うのです。

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駐韓大使は護身術の習得を

2015年03月08日 15時21分32秒 | 国際政治
 韓国の首都ソウルにおいて白昼に起きた駐韓米国大使襲撃事件は、テロリストの恐ろしさを見せつけた事件でもありました。国際法において身体不可侵とされる大使でさえ、重傷を負ったのですから。

 傷の場所が違っていれば命にも係わる重大事件であり、マーク・リッパート大使が、酷い傷を負いながらも九死に一生を得られたことは、不幸中の幸いでした。最初の報道では、凶器は”果物ナイフ”とされていましたが、実際には、ナイフの刃渡りは25センチであり、殺傷力の高い包丁と云うことになります(軍用ナイフ説も…)。一つ間違えますと、暗殺されかねなかったのです。リッパート大使は海軍特殊部隊の情報将校を務められた経歴があり、軍での経験が、今回の事件でも生かされたとする説もあります。否、軍歴があったからこそ、未だ休戦状態にある危険な国の大使として抜擢されたのかもしれません。犯人は、過去にも駐韓日本大使に対して投石を行い、有罪判決を受けていますが、韓国に赴任する大使、並びに、外交官等は、万が一に備えて護身術を習得しておく必要があるのではないでしょうか。アメリカ政府は、犯人に対する厳罰を求めておりますが、韓国政府の犯人への対応次第では、今後とも、”英雄気取り”で同様の犯行を決行するテロリストや暴漢が現れる可能性は否定できません。

 もちろん、銃や爆弾等を用いたテロに対しては護身術は役立たないのですが、今回の事件でも指摘されているように、会場の入場者のチェックでさえ杜撰であり、韓国側の警備体制に期待はできません。いざ、という時に備えた訓練は必要なのではないかと思うのです。

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日本国の外国人起業特区は国籍を問わない?

2015年03月07日 15時41分09秒 | 日本経済
 日本国政府は、外国人が起業しやすいように、条件を緩和した特区を設ける方針のようです。この特区、全ての国籍の外国人に開放するのでしょうか。

 仮に、外国人起業特区において国籍を全く問わないとしますと、当然に、中国籍や北朝鮮籍の外国人も特区の優遇措置の下で起業することが予測されます。しかしながら、これらの諸国では、外国人の企業の自由が許されておりませんので、一方的に、日本国側が、特権を付与するようなものです。せめて相互主義にしませんと、不平等条約の国内法化となります。また、台湾では、中国との間の投資・サービス協定の締結が激しい学生運動を引き起こしましたが、日本国も、中国系の安価な製品やサービス業の進出によって市場を侵食され、やがて中国経済に飲み込まれるリスクが高まります。しかも、設立された中国系企業が、資金を持て余している共産党幹部やその親族が出資する、あるいは、経営するともなれば、政治的リスクも無視できなくなります(対中防衛力を増強しても、内側から支配されてしまう…)。加えて、朝鮮半島リスクも懸念されます。朝銀の存在が示すように、国交が存在しないにも拘わらず、在日北朝鮮人による起業は既に可能なようです。しかしながら、朝銀救済で日本国から多額の公的資金が投入されたように、北朝鮮人が起業した企業が何らかの問題を起こした場合、日本国政府が責任を負わされる可能性があります。もっとも、この問題は北朝鮮に限らず、日本国の法律に基づいて設立された企業は、どこの国に所属する法人なのか、という問題を提起しています。WTOなどでは、所属先の国の政府が損害を受けたと主張する企業に代わって紛争の当事者として解決に当たりますが、日本国政府は、新たに特区で起業された法人の保護義務を負うのでしょうか。

 中国、韓国、北朝鮮といった諸国は、法の支配を尊重しておりませんので、特区の設置により、日本国においてこれらの諸国系の企業が増加しますと、日本市場のリスクも比例して上昇することでしょう。リスクに対する甘さは、将来、回復困難な災難を招くことになるのではないかと思うのです。

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日本国の”経済戦略”はゴールドマン・サックスのため?

2015年03月06日 15時27分23秒 | 日本経済
 本日の日経新聞に、日本国の電力自由化に伴う電力先物3商品の導入に関する記事が掲載されておりました。そもそも、電力市場の自由化とは、その実、電力市場が投機の場となることをも意味しておりますし、結局は電力料金の値上がりを招きますので、反対の声も少なくありません。

 ところで、この記事で、もう一つ注目されることは、今月6日に始まる協議会に、ゴールドマン・サックス証券が金融の専門家が招かれていることです。近年の動きを見て気付くことは、日本国の国家戦略と銘打ちながら、ゴールドマン・サックスへの利益誘導が露骨なほどに目立っていることです。再生エネ法が施行され時には、ゴールドマン・サックスは、3000億円の投資を計画し、韓国のLS産電と組んで日本最大のメガソーラ事業を開始しています。また、年金基金の運用の多様化に際しても、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、昨年から、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを運用委託先に選定しました。日本国政府が何らかの政策を実施するたびに、ゴールドマン・サックスの名が挙がるのですから、否が応でも不自然さが目につきます。しかも、インフラ事業や公的事業に集中しており、どの事業も、結局、日本国民の負担が増えるものばかりなのです。また、ゴールドマン・サックスは、採用を通じての人脈作りにも周到であり、福田康夫元首相やソフトバンクの孫氏などの親族も社員との情報も伝わっております。

 かつては、政治家による利益誘導は国内の問題とされましたが、市場のグローバル化を背景に、外資系企業への利益誘導も懸念しなければならない時代を迎えているのかもしれません。経産省には、国民の利益を第一に考えて、政策を立案していただきたいと思うのです。

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駐韓米大使襲撃事件-危険のシグナル

2015年03月05日 15時17分59秒 | 国際政治
【駐韓米大使襲撃】「米帝!」「訓練反対!」ひげ面に作務衣姿で凶行…血しぶき生々しく、朝食会は凄惨“暗転”(産経新聞) - goo ニュース

 本日、韓国では、駐韓米大使がテロリストに襲われ、負傷するという凄惨な事件が発生いたしました。命には別条はないとのことですが、この事件、起こるべくして起きているようにも思えますが、幾つかの謎も残ります。

 最大の謎は、何故、かくも容易く駐韓日本大使に対する投石事件を起こした人物が、講演会の会場に入ることができたのか、ということです。犯人は、鬚面の上に作務衣を着用した姿で、テーブル席に着席しており、会場でも目立っていたそうです。正式の出席者なのかを疑う声もあったそうですが、誰も、チェックした気配がりません。通常であれば、入室するに際して、主催者側が身元を確認するものですし、テーブル席も予め座る席が決められているはずです。平然とテーブル席に座っていたとしますと、主催者側に落ち度があったとしか言いようがありません。韓国の”反日無罪”の姿勢が、テロリストに対するチェックを甘くしているとしますと、やはり、事件は起きるべくして起きたことになります。第2の謎は、会場の警備に当たっていた警察が、事件に際してほとんど動いておらず、犯人を取り押さえたのは、近くの出席者達であったことです。握手を求めて近寄ったということですので、油断もあったのでしょうが、韓国は、大使の保護義務を怠っております。第3の謎は、北朝鮮の陰です(そのさらに奥には中国?)。講演会の主催者は、南北統一の促進のための活動を行う団体なそうですので、当然に、出席者の中には、親北の人物、さらには、工作員が紛れている可能性があります。仮に北朝鮮が関与しているとしますと闇は深く、韓国人をもメンバーとする国家ぐるみの組織的なテロであるかもしれません。

 この事件は、既に韓国が国内の治安を維持できない状況にある危険なシグナルです。そしてそれは、第二次朝鮮戦争が発生した場合、韓国国内がテロや破壊活動により、敵味方が入り乱れる極めて危険な状態に陥る可能性をも示唆しているのではないでしょうか。

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驚くべき李元韓国大統領の読みの甘さ

2015年03月04日 15時37分34秒 | 国際政治
背景に「慰安婦問題」と分析=韓国前大統領の竹島上陸―米機密文書(時事通信) - goo ニュース
 韓国の李明博大統領が在任中に竹島に上陸した件についてアメリカ政府の機密文書が公開され、その背後には、慰安婦問題で日本国に圧力をかけたい韓国側の思惑があったとの分析が示されているそうです。

 その一方で、最近出版された李元大統領の回顧録には、竹島上陸の動機について、”この時期に竹島に上陸することで、竹島が韓国の領土であることを国際社会に知らしめたかった”とする趣旨の説明が記されていると言います。回顧録の内容が常に正しい保証はどこにもないのですが、何れにしても驚かされるのは、李元大統領の読みの甘さです。何故ならば、動機が何れであったとしても、全くの逆効果であるからです。慰安婦問題にしましても、仮に、日本側の譲歩を求めるつもりであるならば、竹島に現職の大統領として初めて上陸すれば、日本側の態度は硬化し、国内世論の韓国に対する反発が強まることは必至です。民主党の野田政権の時期には、慰安婦問題に関する動きもあったとも報じられておりますが、竹島上陸後の流れを見ますと、結果として、”韓国に対して一歩も譲らず”の日本側の姿勢が強まったことは否めません。また、回顧録のとおり、純粋に、竹島が韓国領であるとアピールすることが狙いであったとしましても、大統領の上陸が、国際法における領有権を確定するはずもありません。逆に、不自然なパフォーマンスによってアピールすればするほど、怪しまれるのが世の常です。実際に、竹島問題についても、日本国政府の積極的な取り組みの前に、韓国は、防御側に転じています。

 外務省のホームページから、韓国に関する記述として民主主義や自由といった基本的価値観の共有が削除されたそうですが、韓国の大統領の行動には、理解に苦しむケースが少なくありません。常に自らを中心にして物事を考え、相手の反応を考慮しない韓国の思考パターンが、日本国のみならず、国際社会と摩擦を起こす原因の一つなのではないかと推測するのです。

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日本国政府はひな祭りをユネスコ無形文化財に申請しては

2015年03月03日 14時09分49秒 | 日本政治
 本日3月3日は、お雛祭りの日であり、女の子の健やかな成長を祈る特別の日です。雛人形を飾る家庭も少なくないのですが、日本国政府は、ひな祭りをユネスコ無形文化財に申請してはどうかと思うのです。

 5月5日の端午節句については、アジア各地でも祝われており、過去には、韓国が先んじてユネスコ登録したことから、節句の母国である中国から、”起源を盗られた”として批判が起きるという事件も起きています。3月3日も節句ではあるのですが、女の子のための特別の日として祝う国は、日本の他にはありません。起源は平安時代に遡るとされており、今日に至るまで、年中行事の一つとして祝われてきました。雛人形の美しさやお道具の見事さのみならず、ひな祭りの日には、着物姿の女の子による伝統行事を残している地方もあります。国際社会では、日本国は、女性蔑視の男尊女卑の国とするイメージが広まっておりますが、ひな祭りは、古来、日本人が、女の子を慈しみ大切に育ててきた証でもあります。否、中国や朝鮮半島といった男の子だけを極端に偏重する儒教文化の国とは、対照をなしているのです。

 最近、日本国政府は、女性の活躍を推進しておりますが、ひな祭りのユネスコ無形文化財への申請は、日本国が女性を大事にしてきた国であることを国際社会にアピールするチャンスとなります。そして、ひな祭りの文化の紹介は、今なお女性を虐げている国や人々に対して、何らかの衝撃を与えるのではないでしょうか。

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中国に合わせると世界はタイムスリップする

2015年03月02日 15時36分06秒 | 国際政治
 本日の産経新聞の一面に、慰安婦問題について激しい対日批判を展開しクマラスワミ報告に関連して、櫻井よしこ氏が中国の時代感覚について記事を寄せておりました。同報告書には、第二次世界大戦当時の出来事とは到底考えられない描写が、元慰安婦の証言として掲載されているというのです。

 クワラスワミ報告に登場する荒唐無稽な表現とは、”慰安婦をくぎの板にころがし、首を切る”とか、”池を掘って蛇で満たし、慰安婦を突き落として殺し、最後に埋める”といった残酷物語なそうです。日本人が読んだら、即座に偽証と分かるのですが、それもそのはず、この表現、司馬光が編纂し、1084年に完成した歴史書である『資治通鑑』に掲載されており、中国に実在した残酷刑と言うのです。同書が扱っている時代は、紀元前403年から959年ですので、実に、1000年も前の記述なのです。それでは、何故、千年も前に書かれた記述が、今日にあって、国連の報告書に出現したのでしょうか。櫻井氏は、膨大な量の史書にも拘らず、毛沢東は17回もこの書を読んでいたと指摘しておられます。『資冶通鑑』は帝王学の書ともされており、毛沢東は、中国の頂点に君臨する者として、歴代皇帝を真似て、同本を参考にしたのでしょう。上記の証言は、北朝鮮出身の元慰安婦のものとのことですので、中国、並びに、中国の影響下にある北朝鮮では、毛沢東主義と共に、こうした残酷刑に関する知識も広がっていたのかもしれません。あるいは、誰も違和感を感じなかったとしますと、中国も朝鮮半島も、『資治通鑑』の時代から、然して変わりはなかったとも考えられるのです。

 毛沢東が『資治通鑑』を愛読し、その手法を大いに学び、実践していたとしますと、国際社会における中国の台頭は、世界を1000年以上タイムスリップさせる可能性があります。そして、ISILもまたマホメットの生きた時代への回帰を唱えていることを考えますと、1000年以上に及ぶ時代感覚の違いは、慰安婦問題に限らず、様々な場面で国際社会の波乱要因となるのではないかと思うのです。

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