風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「廃寺の庭に敷き詰められたイチョウのじゅうたん」

2016-11-01 06:50:00 | 催し



公園でも街路でも、イチョウのじゅうたんが敷かれ始めました。
ただ、この絵のじゅうたんは数年前の秋、ドライブ中に見かけたのですが、もう見ることはできません。

というのは――。
この風景があったのは、豊田市郊外の山あいの集落。小高い所に小さな廃寺があり、本堂に面した境内の庭が一本のイチョウの大木から舞い落ちた黄金の葉で埋め尽くされていました。
「描きたいな」と思ったものの「難しいそうだから、いずれまた」とカメラに収め、近くにあった池の水面に映る紅葉を描いただけだったのを思い出します。

この夏、再び近くへ出かけて思い出し「秋に来て今年こそ描いてやろう。その前に写真に撮っていなかった廃寺をスケッチしておこう」と現地へ車を走らせました。
ところが、驚いたことに廃寺を含めてあとかたなく整地されていたのです。

仕方なく保存してあった写真を引っ張り出し,10号の絵にしました。
「思い立ったが吉日」。絵画の制作に限らず、この教訓に背く失敗をまたやってしまったのです。