風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「水彩画教室の先生が妖怪画本『京都・妖怪三十六景』を出版」

2020-10-30 06:27:07 | 日記・エッセイ・コラム

 

現代美術作家で、僕が学ぶ水彩画教室の講師である山田彊一先生の新しい妖怪画本「京都・妖怪三十六景」が出版されました。
地域に伝わる妖怪話を山田先生が独自の視点で切り取り、現代社会に生かして描いた妖怪画とエッセイ。地元の妖怪を取り上げた「名古屋・妖怪三十六景」に続く出版ですが、今回は田鶴子夫人による英訳が付いています。

古臭いイメージの妖怪画に、現代作家である山田先生が没頭するのは何故か。英訳をつけた理由とともに、前書きの中で要旨次のように書いています。

「妖怪は人々の頭の中で作り出す、いわば空想のもの。それは創造を第一とする現代美術思考に通じるものである。現代美術の視点で新しい妖怪を造り出したい」
「京都の寺院などに訪れる外国人旅行者らに、日本文化を理解する一助になれば」

描いた妖怪の舞台に選んだのは、神社・仏閣34ヶ所に信長、秀吉、家康らの怨念が渦巻いただろう二条城と、画家・伊藤若冲を生んだ錦市場を加えた計36ヶ所。
先の水彩画教室の宿泊スケッチ取材で訪れた知恩院や八坂神社、清水寺なども含まれています。

とうに80代に入った山田先生ですが、年明けには京都市内のギャラリーで個展を予定。「次は奈良の妖怪に挑戦したい」と意気軒高です。
本はワイズ出版発行。2200円+税。