リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

ガラクタが語る時間と空間の価値

2015年06月07日 | 日々の風の吹くまま
エアコンの始動で目が覚めて、眠りに戻れなかったカレシに何か猫なで声で起こされた。
「思いついたんだけどさ・・・」。え、また目覚めのブレーンストーミング?「ガレージの整理さ、
要るもの以外はまとめてGot-Junkに持って行ってもらおうと思うけど、どう?」 おっ、ワタシ
は異存なし。無料電話番号1-800-Got(468)-Junk(5865)をそのまま社名にしたこの廃品
回収会社は、26年前にバンクーバーで学資稼ぎの夏休みアルバイトにあぶれた大学生が
起業したもので、今では北米だけでなくオーストラリアでもフランチャイズを展開している。

カレシ曰く「2度呼ぶことになるから高くつくけど、自分で集めてごみ捨て場に持って行く時
間がもったいないんだよね」。そうそう、その通り。時は金なりって言うけど、現代人に一番
不足しているのは「時間」。代行サービスを頼めば、その作業に費やす時間を他のことに使
えるから効率だと思うんだけど、カレシは何でもまず自分でやれる/作れる(他人に金を払
うことはない)と言ってみる人で、たいていはやらず/作らずじまい。何となく自分で靴を履
ける!と言い張って、結局うまく行かずに癇癪を起こす三歳児に似ていなくもないな。でも、
いい大人なんだから、自分でやれること、やれないことぐらいわかっていそうなもんだけど、
ほんとに意地っ張りなのか、それとも単にケチなだけなのか・・・。

今どきの時間はモノを「便利さ」という価値に換算して売るサービス経済の目玉商品のひと
つになったような感もあるけど、便利さは賞味期間がえらく短いから、常に新しい便利さに
買い替えて行かないと、いろいろと不便が生じて来てしまう。でも、買い替え続けていれば
不用のモノが溜まるばかりだから、今度は賞味期限を過ぎた不用品に占拠された「空間」を
お金で買い戻すことになって、廃品回収業が繁盛する。消費経済ってのはあんがい「時間」
と「空間」を代価としてモノを消費することなのかもしれないな。

まあ、ここでつらつらと経済の仕組みなんぞ哲学していても、消費済みのモノは消えてくれ
ない。今の段階で回収業者を呼ぶのはガラクタ整理のための時間と空間を捻出するのが
目的であれば、ついでに家の中のガラクタも集めて一緒に持って行ってもらうと「空間」が増
えてなおいいな。この「ついで」というのは使いようによってはぐんと付加価値が高まる、い
わばおまけクーポンのようなものだけど、そのうち誰かが商品化したりして・・・。