【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

漆黒の風趣

2009-11-12 18:30:18 | 趣味の器(壺)~その他
【オキザリス】


   昨日の雨は秋雨と言うには大層、
  暖かい雨でした。

   今朝も、その余韻を十分残した、
  暖かい朝となりました。

   しかしながら、
  昨日の雨と、夕方からの北風で、
  1歩外に出ますと落ち葉が一杯。
  
   朝の貴重な時間、清掃で、
  思わぬ時間を取られてしまいました。

   でも雨上がりの朝の恒例の言葉、
  “空気がピカピカ光っているわ”  
  今日も健在です。



   さて、今日も漆器の登場です。と言っても、探していた器ではありません。
  例の階段下、物をどけるのがめんどうで、実家から貰って来ました。

   「漆器なんて、これまで見向きもしなかったじゃないの・・」
  ~なんて、母に呆れられ、からかわれながら・・。
  
   私の持っている碗は、黒と朱の物ですが、こちらは黒一色。
  輪島塗です。今日は、これに善哉を・・。

   この漆器、私も以前は扱いがめんどうな気がして、
  ほとんど使った事はありません。でも、それは誤解である事を知りました。

   時間をかけて丹念に塗り重ねられた漆器は頻繁に使ってこそ、
  色艶も深め、そこに載せる料理も映えるのだとか。

   確かに陶磁器や硝子器にはない、持つ手に伝わって来る心地良い温もり。
  絹のように滑らかな肌触りは、漆器ならでは・・でしょう。
  優雅さと優美さを兼ね備えたそれは、美しい物だけが持つ、趣がありますものね。

   そうそう又、この漆器には強い抗菌効果、24時間で大腸菌が死滅するそうです。
  美しいだけでなく、奥に秘めたこんな強さも併せ持っているのですね。

   ところで、漆黒しっこくの髪”なんて、女性の美しい黒髪の事を言いますね。
  尤も染めるのが当然になっている現代では、この言葉は死語になりつつあるのでしょうか。
  
   まさに字の如く・・漆を塗ったように黒く、
  艶のある髪の事を言うのですものね。漆の美しさが分かります。

器具とは言うも日々の伴侶である。
私達の生活を補佐する忠実な友達である。
 誰もそれらに頼りつつ1日を送る。
その姿には誠実な美があるではないか。
謙譲の徳が表れているではないか。
 凡てが病弱に流れがちな今日、
彼らのうちに健康の美を見る事は恵みであり、悦びである。
                           柳宋悦やなぎ・むねよし著 「民藝40年」