庭は・・(中略) 見たところ死と悲しみのような 葉のない木が立っていた。 けれどもそれはただ見たところだけだった。 命の血は木々の心の中にある。 やがて、青い葉とピンクの花の 花嫁姿で自分達を装うだろう。 そして一番沢山に吹き溜りが 重なっている所に横たわっている小金は、 やがて朝のラッパを吹くだろう。 【「エミリーの求めるもの」 第16章】 |
【午前6時50分の空】
こんなダイナミックな空で明けた今朝。
屋根には薄っすらと雪も。
それにしても今朝の冷えたこと!
軒下に置いていた如露の水に
氷が張っていたのも今年初めてです。
日中は青い空に大きな白い雲がポカン、ポカン。
そんな雲が風に乗って流れて行き、
千切れたり、くっついたり、形を自在に変えながら。
まだまだ外は寒いけれど、日溜りから眺める空は、
春が近付いている予感。何だか嬉しくなりますね。
さて、冒頭の写真。
昨日、出先で思わず
買ってしまった “春”。
嬉しい事に既に満開
だからでしょうか・・。
思い切り値下げ価格。
おまけに青とピンクは
庭に存在していますが、
白はありません。
即買いとなった事は、
言うまでもありません。
帰りの狭い車内では、
このヒヤシンスの花の
香りで咽(むせ)返る程。
「いたづらに
葉を結びあり
ヒヤシンス」
~高浜 虚子
ヒヤシンスは美しい花だけでなく、肉厚で長く、
ツヤツヤとした緑色の葉も人気のようです。
その長い葉が重なり合って結ばれているように見える・・。
この句は、そんなヒヤシンスの特徴をよく捉えていますね。
ヒヤシンスは、その高貴な姿から
深窓の令嬢や令人に思えて仕方ない私ですが、
ひょんな事から、セントポーリアの花言葉が
「深窓の美人」 と知りました。
確かにセントポーリアは、その環境から。
ヒヤシンスは見かけから・・と言ったところでしょうか・・。
尤も、白色のヒヤシンスの花言葉は、
「心静かな愛」 ですけれど。
そうそう、これも一足早く咲いた、
(昨日の)菫のバッグ、窓辺に吊り下げました。
いずれにしても芳香溢れる春が待ち遠しい気がします。