【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

夢見る公爵夫人

2012-09-07 16:16:08 | 薔薇の追憶








キャサリンはまず、有名な服装店に行った。
夢見る公爵夫人 という感じの、
ほっそりした初老の
フランス婦人が彼女を迎えた。
(中略)
夢見る公爵夫人 といった態度はどこへやら、
店主は甲高い声でマネキンたちに
矢継ぎ早に命令を下し始めた。
「・・・ 明るい灰色のスーツと、
“秋の吐息” というあのローブを
マドモアゼルにお見せして。
マルセルは ミモザ色
可愛らしいスーツをね」        
        【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】


   昨日の朝とは一転して爽やかな朝を迎えました。
  昨夜も夕立から一気に秋に。

   おまけに雨上がりの東の空には、
  明日(8日)、下弦を迎える半月のお月様。
  それはそれは美しいものでした。

   そして今日。
  昨夜から引き続き虫の大合唱が、
  つい先程まで聞こえて来たものですが、今は静かです。

   その上、アゲハ蝶や紋白蝶なども気持ち良さそうに飛び交っていて。
  何だかこちらまで楽しくなります。

   さて、今日の薔薇。
  私はこれまで花びらがカールしているそれを、
  一様に 「公爵夫人の薔薇」 と呼んで来ました。

   でも一見、同じように見えても明らかに違うのもあります。
  どんな名前にしようかと思案していましたが、やっと決定。
  今日のタイトルにもなった 「夢見る公爵夫人」 と。

   尤も先日来から盛んに登場している、
  A・クリスティーの小説からの拝借ですけれど。

   以前から感じていましたが、彼女も明らかに 同類
  訳者は違えど、言葉遣い、描写など共通点が至る所に。
  例えば、「頭のてっぺんから爪先まで」 「崇拝者」 等など・・。

   黄色の薔薇を 「金色の薔薇」 と言ったのは アン ですが、
  「ミモザ色」 も素敵! 私もせいぜい使い分ける事に致しましょう。









   一方、「夢見る公爵夫人」 に対し、こちらは静かに佇むセージ。
  「青い貴婦人」 といった処でしょうか。冷静、かつ沈着なイメージです。

   それにしても、庭には公爵夫人や貴婦人たちが勢揃い。
  季節の移ろう今の季節、どうやら庭では虫の合唱やオーケストラをバックに、
  社交界デビューが盛んに繰り広げられているのかも知れませんね。

秋のシルエット

2012-09-06 22:06:18 | レトロ(素敵)な空間~散策

【空中を浮遊する朝顔】






―― 9月 にしか見られないような午後であり、
夏がもう1度だけ夢と魔法の日を過ごそうと
こっそり忍び戻ったかのようだった。
周りは見渡す限りの収穫畑が
日光に浸って広がっており、
厳しい美しさをたたえた北の樅が2人の
歩いて来た道を素晴らしいものにしていた。
秋のキリン草 が垣をリボンのように飾り、
山間やまあいへ入って行くひっそりした
街道に沿った焼地には至る所に
柳草贖罪しょくざいの火が燃えている。
                【「エミリーはのぼる」 第12章】


   


   気温は30度に達しなかったものの、蒸し暑くなった今日。
  その空は真珠色。時折、太陽は顔を出すものの、気紛れです。
  そんな風ですから勿論、一雨来そう。

   そうこうしているうちに、(天気予報通り)雨がパラパラ。
  ただ今日は(1回目)雷も鳴らず、雨もそれ以上には降りません。
  そのうちに、カ~ッと太陽。

   雨はまだしも、雷が怖くて外出を渋っていた私ですが、ここで決心。
  出掛ける事にしました。と言っても、ちょっとそこまでの野暮用ですけれど。
   





【貴方が主役!】



   


   さて帰り途、随分久し振りですが、いつもの道草です。
  前述のように、『アンの世界』 では9月になりますと、すっかり秋ですね。

   しかしながら色彩的にもこちらは、まだまだ。
  稲穂が黄金色に染まるのは、もう少し先のようです。

   ただ叢(くさむら)からは、
  以前には聞こえなかった
  虫の声が。

   聴覚的には秋ですね。
  今も虫達の宴会は、たけなわ。

   ところで、こちらのお宅は、
  「樹木の崇拝者」 ですね。

   こんな風に樹木のために
  工夫されているお宅は、
  我町では既に4軒目。

   尤も、私の知る限りですが・・。
  松あり公孫樹あり我町の古木あり。こんな発見も楽しいものです。

   そうそう、帰宅して暫くして・・午後5時半頃だったでしょうか・・。
  雷を伴った夕立。そのせいで、ブログ更新が遅くなってしまいました。
  明日は良いお天気のようですね。

真珠がほろほろ

2012-09-05 15:48:18 | リラのお気楽ユメ日記






「たった今、これが参りました」
リーファス・ヴァン・オールディンは
何気なく 手紙 を受け取ったが、上書きの、
女性のものらしい流れるような書体を見ると、
まるで人が変わったように相好を崩し、
厳しい口元を緩めた。
手紙を片手にエレヴェーターに
歩み寄った時にも、
まだ口元に 微笑が浮かんでいた
       【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】








                             【9月の入道雲】
   日中は、まだまだ暑いけれど、
  さすがに朝晩は、
  めっきり涼しくなりました。

   おまけに今日の空は快晴。
  その空は秋の気配たっぷり。

   写真は正午の空ですが、勿論、
  夏も同居しているようですね。

   この空ですと・・
  今日も夕立、降るのかしら・・?

   夏の象徴である朝顔やハイビスカスも、すこぶる元気。
  ただ光と影は、くっきり、はっきり。
  そして網戸や床に映る、ゴーヤの葉影。

   特に薄いグリーンにグレーの網戸の自然模様は、
  殊の外、お気に入り。今ならではの、とって置きの光景でしょう。




   ところで最近は、すっかり縁遠くなってしまった手書きの文字。
  今、何とかして文字を書こうと苦心しています。

   それでも、メモ程度の走り書きはするのですが、
  改まって書く事は皆無に近い状態。ましてや縦書きに至っては。

   縦書き保存会会員(自称)としましては、
  これではいけないと・・。~なんて。

   そんなこんなで。
  今、お礼状、その他、率先して書く事にしています。
  早速、昨日の葡萄のお礼状をしたためました。

   生憎、季節の葉書を切らしています。
  PC での手作り葉書も面倒・・という事で官製葉書で。
  尤も遥かに年上の方ですから、これでいいのかも知れません。

   そうそう今日の引用文も A・クリスティーから。
  (やっと読み終わりました)

   そう言えば、手紙を貰って思わず微笑む事って、ありますね。
  ポストから受け取り、封を開けるまでの時めく “間(ま)”。

   元来 「時間」 とは、“時めく間” だった・・。
  所作、1つ1つにも情緒があるという訳です。

   真珠の粒がほろほろとこぼれるような美しい言葉を紡(つむ)ぎ、
  それを心を込めて綴る・・。そんな風でありたいです。

秋の吐息

2012-09-04 17:05:05 | 四季のスケッチ






「何て仰言おっしゃったかしら、この服の名?」
「“秋の吐息” ですわ。
ええ、これこそマドモアゼルのために
作られたようなドレスですわ」
秋 ―― そう、確かに。
私にとっては人生はもう秋だ。
私は春も、夏も、ついぞ知らなかった。
(中略)
失ったものはもう2度と手に入らない。
(中略)
その間にも、生は片時も
歩みを止めなかった。
    【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】


   昨日の夕立は、単なる夕立では終わりませんでした。
  ブログをアップした頃は、一旦、やんでいた雨。

   その後、再び・・今度は延々と続いた雨と雷。
  あれは、午後9時を少し回っていた頃だったでしょうか・・

   いきなりの雷の音で肝を冷やしました。
  瞬間、何が起こったのか分からないような・・。

   “呆然と言うのはこんな事を言うのだわ” 妙に冷静な私がいます。
  幸い停電をする事もなく、それを境に雨はやんだのですが・・。

   今日も天気は不安定に。おまけに朝から雷ゴロゴロ。
  気温の方は30度に達していませんが、湿度は高くなっています。
  じっとしている分にはいいのですけれど。

   さて、今日の写真。
  この可愛らしい風鈴のような・・提灯のような花は 「アブチロン」。
  いいえ、別名の 「チロリアンランプ」 こそ、ぴったりですね。

   俯(うつむ)いて恥じらうようなこの花を見ているうちに、
  後、もう少しで読み終える A・クリスティーから、
  なぜか不意に 「秋の吐息」 という言葉が浮かんで来たのです。

   いい加減な私の事、実はどんな意味だっていいのです。
  響きがいかにも 「詩的」 でさえあれば。

   尤も、この花、秋の花という訳ではないようですね。
  ただ我家では毎年、今頃の季節に咲くものですから。

   









   ところで今日は、嬉しい頂き物。大好きな葡萄です。
  おまけに 「緑の宝石」 、マスカットも。
  せいぜい味わって頂きます。

街角の温もり ~ その2

2012-09-03 16:38:16 | ちょっとアンティーク





「・・・小さい頃、あたしは夏の一方の端から
もう一方の端を見る事が出来なかったのよ。
果てなく続く季節のように
あたしの前に広がっていたんです。
今じゃ、『片手の幅だけ、1つの物語』
だけですわ」  
                 【「アンの愛情」 第23章】


   昨日の夕立は直後には僅か2度の気温低下に留まりましたが、
  夜は窓を開けていると肌寒さを覚える程に。
  昨夜は久し振りにエアコンなしで休む事が出来ました。

   従って今朝は一気に秋気分。
  とは言え、日中はそれなりに気温は上がりますけれど。

   




   さて昨日に続き、今日も小さなマッチ箱の世界を。
  その前に、こちらの茶筒は私がペイントしたものですが、
  実は、この中には、おびただしい数のマッチ箱が入っています。

   その中から今日も手作りっぽいものを。
  山、五重塔・・あるものは絵画風だったり、はたまた切絵風だったり。

   小さな世界ですが、それぞれの主張。
  見ていて飽きません。

   おまけに、これら1つ、1つを手に取って眺めていますと、
  その時々の思い出が走馬燈のように蘇(よみがえ)って来て。
  尤も、中には全く思い出さないものもありますけれど。

   一応、箱の裏に日付と誰と訪れたかを記しているのですが、
  不思議な事に、記しているものには(裏を見るまでの事はなく)覚えているのです。

   結局、記していないものに限って忘れていて。
  何をか言わんと言った所ですね。

   そして今日も夕立。今度は雷も伴って。今、PCを開いた所です。
  どの位、降ったでしょう。気温は明らかに違います。
  こんな夕立は有り難いですね。

街角の温もり

2012-09-02 17:23:18 | ちょっとアンティーク



【上 : 美々卯 ・ 乗鞍観光ホテル ・ 乃木温泉ホテル(栃木) 
下 : 三浦綾子の小説に登場する、天金 ・ 北海ホテル】


アンは、人生が希望と幻の薔薇色の霧を
通してのみ眺められ、永遠に去って帰らぬ、
名状しがたいあるものが存在していた。
あの懐かしい楽しい月日に戻りたくて
たまらないと、胸の中で考えた。
それは今はどこに行ってしまったのか ――
あの輝き、あの夢は?
「かくてこの世は移り行く」 ・・・・・                 
                 【「アンの愛情」 第29章】




【起床時の空】


   青い空に小さく千切れた雲。秋らしいこんな空で明けました。
  9月も2日目。9月の声を聞き、朝晩は随分、涼しくなりました。

   とは言っても日中は、かなり暑くなりますが・・。
  ただ今日は先程、午後2時頃だったでしょうか、
  いきなり雨。それも本当に突然。

   珍しい事に雷は伴っていません。
  30分程度でやみましたが、気温は2度ばかり低下。
  有り難い天然の打ち水です。

   さて今日の写真。ご覧の通り、マッチです。
  以前は、街角の喫茶店や食堂(敢えて・・レストランではありません)
  の灰皿に必ず置いてありましたね。

   振り返れば、学生時代から集めていたマッチ。
  そのマッチが欲しくて喫茶店をハシゴした事もありましたっけ。
  それも今では懐かしい思い出です。

   今日は、数あるマッチの中から、手描きっぽい物を並べてみました。
  旅先の観光地の写真が印刷してある物があれば、
  文字に工夫があったり。中には歪(いびつ)な物もありますけれど。

   マッチ箱という限られた、小さな空間に広がる世界。
  今見れば、何気ないデザインも、とても新鮮に思えます。

   残念ながら最近は、街の喫茶店がめっきり減って来ましたね。
  おまけに灰皿にマッチは、すっかり過去の遺物と化しています。

   一方、喫茶店の “復活” という話題もチラホラ。
  画一的なカフェチェーン店には辟易(へきえき)している私、
  街の喫茶店を応援しています。

閑雅な午後

2012-09-01 16:23:32 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編






その年のフォア・ウィンズの 9月
黄金の霧と紫のもやのひと月であった ――
昼は日光に浸り、夜は月光に満たされ、
星と共にきらめくひと月であった。
それをそこなう嵐もなく、
荒い風も吹かなかった。
                【「赤毛のアン」 第4章】


   今日も “朝から太陽” の空となりました。
  青い空にス~ッと刷毛(はけ)で描いたような薄い白い雲。

   ただ、今朝も眠っている間に雨が降ったようで、
  庭の植物たちはキラ、キラ、キラ~ッ☆

   今日は、“天気が不安定” という天気予報を忘れさせるような空。
  昨日同様、局地的なものなのでしょう。

   早いもので今日から9月。今日は 「防災の日」 ですね。
  この度発表された 「南海トラフ巨大地震」 には驚きました。

   この地震、震度5なんて当たり前、震度6や7の巨大地震。
  でも、だからと言って悲観的になっても仕方ありませんね。
  「正しく恐れる」、その通りかも知れません。


     およそ1週間振りですね。
    残暑は残るものの、9月最初の 「閑雅な午後」? は、
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 の開店と致しましょう。

     今日は 【先日】 の壺や絵皿をそこかしこに配して。
    良く言えば和洋折衷、悪く言えばバラバラです。


   イーゼルの絵は薔薇の油絵を。
    こちらの絵は時々代えて
      楽しんでいます。

   そうそう、先日は白に見えた壺。
      今日は本来の色、
     薄い水色に見えます。

     結構、気に入っている壺。
     と言ってもすっかり忘れて
       いた物ですけれど。

     土物の珈琲カップは2度目。
   どちらの焼物でしたでしょう・・?

      信楽焼でしたっけ・・?
      又々、忘れています。

    美味しいお茶が入りましたよ~♪