だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ビールの国、チェコの映画

2008-12-11 22:07:59 | 映画
チェコスロヴァキア(1993年、チェコとスロヴァキアに分離)のプラハ。「抵抗のプラハ」(71)「コーリャ 愛のプラハ」(96)「プラハ!」(01)などの他、1968年の“プラハの春”を描いた「存在の耐えられない軽さ」(88)も思い出します。

プラハ出身の監督に、イジー・メンツェルがいます。名前で思い出せなくても、「つながれたヒバリ」(69)や「スイート・スイート・ビレッジ」(85)をご覧になったかも…。

チェコを代表する監督の最新公開作が、「英国王 給仕人に乾杯!」(06)。興味を引かれるタイトルですね。原作は、監督デビュー作「厳重に監視された列車」(66)や「つながれたヒバリ」でも組んだ、ボフミル・フラバル(1914~97)著、『私は英国王に給仕した』。

彼の作品は、日本ではほとんど作品は紹介されていないとか。原作が書かれたのは、ソ連の支配圏にあった1971年。そんな時代に絶対出版が許されない内容って、どんな?

ちょっと背が低い、青年ヤン・ジーチェ(イヴァン・バルネフ)の夢は、いつかきっと百万長者になって、ホテルのオーナーになること。田舎町のホテル”黄金のプラハ”でレストランの見習い給仕からスタートし、お次は別荘ホテル“チホタ荘”でウェイターに。

次に、プラハの最高峰“ホテル・パリ”のウェイターになり、やがて主任給仕に昇格。ヤンはここで特別な人と出会います。その人はまさに神技のように給仕する、給仕長スクシーヴァネク(マルチン・フバ)。

給仕長はヤンに告げます。『私は、英国王に給仕した』と。時は1938年、ヒトラーがズデーテン侵攻を強行。1918年に成立したチェコスロヴァキア共和国は建国からわずか20年で解体され、やがて第2次世界大戦へと向かうのでした。

ナチスに占領されたプラハで、誇り高く、ナチスへの反抗を続ける給仕長はゲシュタポに連行され、二度と戻らぬ人に…。映画は、こうしたプラハの時代と人間たちを描いて行きます。

老ヤンを演じるのは、オルドジフ・カイゼル。読み方も難しいチェコの俳優たちをご紹介するのは、この位にしておいて、ヤンを演じるイヴァン・バルネフは、ピーター・マクニコルに似てる!そう思いません?映画館で確認しましょう。
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