だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

オスカーの12日間

2010-09-17 22:02:25 | 映画
もし、自分の余命がわかったとしたら…。普段あんまり考えることがないけれど、それがもし子供ならば…。映画では良く描かれるテーマですが、「100歳の少年と12通の手紙」(09)はぜひ見たい、お勧めの映画です。

劇作家エリック・=エマニュエル・シュミットのベストセラーが原作。彼はオマー・シャリフ主演「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」(03)では、原作と脚本を担当。カトリーヌ・フロ主演「地上5センチの恋心」(06)では、脚本と監督を。

「100歳の少年と12通の手紙」では、原作・脚本・監督を務めています。自身の作品を監督しているんですね。音楽は、フランス映画の巨匠ミシェル・ルグラン。この作品を見て、改めて“生きる”ということを考えてみましょう。

10歳の少年オスカー(アミール)は、白血病を発症し入院していました。ある日、病院内でピザをデリバリー中の女主人ローズ(ミシェル・ラロック)と出会います。口の悪い彼女は、唯一オスカーに対して正直に接する大人でした、

そんな時、オスカーは自分の病気、命が残り少ないことを知ってしまいます。息子を憐れみ、気を使い、会うことさえ恐れる両親。オスカーは大人たちに幻滅し、口を閉ざしてしまいます。院長(マックス・フォン・シドー)は、ローズに助けを求めます。

一方のローズも問題を抱えていました。結婚に失敗し離婚したローズは、母親(ミレーヌ・ドモンジョ!)と暮らしています。毎日のピザ配達を交換条件に、ローズはオスカーの元へ行くことになるのでした…。

大晦日までの12日間。ローズはオスカーと約束をします。1日を10年間と考えること。そしてその日々を大切に過ごすこと。毎日、神さまに手紙を書くこと。オスカーのとっての、初めての恋、結婚、試練、最愛の妻との別離…。

私たちにとって時間はごく普通に過ぎていきますが、1日を10年、たった12日間の人生だとしたら。オスカーの成長を見る側には、その終焉が痛いほどです。演じるアミールは、1999年ベルギーのユックル生まれ。初主演です。

ところで院長を演じるマックス・フォン・シドーは、1929年4月10日スウェーデン出身。「エクソシスト」(73)のメリン神父、ビレ・アウグスト監督の「ペレ」(87)などの大ベテラン。今回も作品を引き締めます。必見。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする