浮世絵の斎藤コレクション

浮世絵は本当に奥が深い…。展覧会で見る浮世絵には、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川豊国、酒井抱一、十返舎一九、葛飾北斎、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年、河鍋暁斎など…

数えきれないほどの絵師がいます。そもそも”浮世絵”とは、江戸時代に確立し“錦絵”とも呼ばれています。浮世絵は当代の風俗を描いた風俗画で、多色刷りの木版画が一般的。

絵師が描く“肉筆画”があることも良く知られています。肉筆浮世絵には屏風絵、絵巻、画帖、掛け物、扇絵、絵馬、画稿、版下絵の８種類に分けらています。また海外に多く流失していることも。

また浮世絵には、美人画、役者絵、芝居絵、花鳥画、戯画、鳥羽絵、漫画、肖像画、名所絵、風物絵、判じ絵、武者絵、歴史絵、偉人絵、相撲絵、幽霊画などなど多くのジャンルがあります。

その中でも“団扇絵”は、とってもユニーク。かつ実用的。江戸時代、団扇に貼られた浮世絵はユニークなデザインとして人気がありましたが、あくまでも団扇は消耗品。

現存するのは、観賞用や見本用だったんでしょうね。そんな団扇絵をポスターにしているのが、三菱一号館美術館で開催される、「浮世絵 Ｆｌｏａｔｉｎｇ Ｗｏｒｌｄ 珠玉の斎藤コレクション」です。

斎藤コレクションとは、川崎 砂子の里資料館長斎藤文夫氏の膨大な浮世絵コレクションのこと。本展では、選りすぐりの名品を３期に分けてご紹介。全部見る方は、ちょっと大変？

第１期：浮世絵の黄金期－江戸のグラビア／第２期：北斎・広重の登場―ツーリズムの発展／第３期：うつりゆく江戸から東京―ジャーナリステイック、ノスタルジックな視線…です。

第１期の代表作には、喜多川歌麿『青楼十二時 族 丑の刻』（寛政６年頃／１７９４年頃）。第２期では葛飾北斎『富岳三十六景 凱風快晴』と『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』（文政末期／１８３０）

第３期には、あのスカイツリーが江戸時代にあった！と話題になった歌川国芳『東都三ッ股の図』（天保３年頃／１８３２）など、素晴らしい作品にため息が出ちゃいます。版元にも注目しましょうね。