だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

リストラ、再就職、そして決断

2016-07-25 20:29:07 | 映画
2015年の第68回カンヌ国際映画祭男優賞と、2016年の第41回セザール賞男優賞をW受賞したのが、ヴァンサン・ランドンでした。それだけでも素晴らしい。

彼と「シャンボンの背中」(09未)、「母の身終い」(12)の監督ステファヌ・ブリゼが、3度組んだのが冒頭の作品「ティエリー・トグルドーの憂鬱」(15)です。

長年エンジニアとして働いてきたティエリー・トグルドー(ヴァンサン・ランドン)は、リストラの対象となってしまいます。彼は、ストライキしてでも闘う気でした。

しかし結局はクビになり、1年半以上が過ぎます。51歳の彼には、妻と障害を持つ息子がいて家のローンも。慣れないクレーンの研修を受け、資格を取ったのに…

一向に仕事が見つかりません。そんなティエリーがようやく手に入れたのは、スーパーマーケットの監視員。それは客だけでなく、同僚たちの不正も監視するのでした。

ある日、勤続20年以上のレジ係が割引クーポンの不正収集がわかり、即座に解雇されます。その後ほどなくして、彼女が店内で自殺してしまいます。

会社側の厳しい対応に疑問を覚えるティエリー。しかし、またしてもレジ係の女性が警備室に連れて来られます。自分のポイントカードに不正スキャンを…

していたのが分かったのでした。果たして、ティエリーが取った行動とは?本作はフランスで、観客動員数100万人を記録した大ヒット作です。

さらにハローワークや、元同僚との会合シーン、面接試験、スーパーマーケットでのシーンなど、出演者たちは演技経験のない役柄と同じ一般の人。

ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督「サンドラの週末」(14)のマリオン・コティヤールの決断を思い出します。考えると憂鬱になります、はい。
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