雪の朝

大寒波が南下しているそうで、
朝、目が覚めたら、
庭の雪見灯篭の笠が
白くなっていた。

寒さも本格的である。



3週間あった
冬休みも今日までで、
明日からまた
自分にとっての
3学期が始まる。

幼稚園来、
53年間ずっと学校というものを
離れたことがない。

だから、
春・夏・冬と
学休期間があるのが
当たり前で、
そのリズムがすっかり
身についてしまっている。

企業人や自営業者と比べれば、
特異な人生かもしれない。




この冬休みは、
アレルギー皮膚炎と
マラセチア毛包炎の
療養もあって、例年になく
静養モードであった。

録り貯めてあった
年末年始の大量の映画を
ゆっくりと鑑賞し、
書きたい譜面も書き、
読みたい本を読み、
聴きたい音楽を聴いた。

名づけて
「ホーム･バカンス」
と称しているが、
飲み物・食べ物も
なんでも揃っており、
新品の滑らかな敷き毛布に
電気毛布でポカポカになったベッドで
いくらでも惰眠を貪れるのは
学休期間なればこそである。

明日からは、
休む暇もないほどに
みっちり学校臨床と
自宅カウンセリング、
ギター練習・レッスンが
始まる。




3週間の冬休みで
崩壊しかけた人格を
またキリリと引き締めて
学校人を演じるには、
コスチュームである
スーツが必要である。

殊に、始業時のように
気持ちを奮い立たせねばならない時には、
ピンと天を指している
ピークトラペルのダブルスーツで
武装するのを習いとしている。