きのうは
小雨のなか、
カミさんに温泉に誘われて
『フォレストパーク』にまで
行ってきた。
家から30分圏内に
十数か所も温泉があるから
愛好家のカミさんは
クーポンを持っており、
休日ごとに出かけている。
ここの処、
“16時間絶食法”を試みてるので、
朝食抜きだが、
そのまま温泉に入るのはまずいので、
先に早目の昼食をとってから
入湯することにした。
岳温泉界隈の道路沿いには
食堂やらカフェが数軒あるが、
その中から未訪の『無想庵』という
田舎料理屋に入ってみた。
「焼きおにぎり」と「五平餅」
に「けんちん汁」がついた
セットにした。
一週間前の日曜には、
京都の智積院会館で
朱塗りの精進料理膳を
リク坊やミカちゃんと
会食したのを思い返し、
「ずいぶん、赴きが違うねい・・・」
と、二人でニンマリし合った。
*
露天風呂の落とし湯を
肩やら首やらに受けて
リラックスし、
休憩ロビーでは
マッサージ機でさらに
揉み療治をした。
*
帰路、うちの近所から
安達に移転した
『Upra』(旧・万SAI堂)
に立ち寄り、
「昭和漫画コーナー」から
面白そうなものを
選りすぐってきた。
帰宅後、すぐに、
ベッドにもぐりこみ、
寒かったので
電気毛布をマックスにし、
昭和漫画の頁を繰り始めた。
『サザエさん旅物』も
『みそっかす』も
昭和風情がたっぷりで
至極満足して楽しめた。
*
「ちばてつや」の作品が
むしょうに読みたくなったので、
ヤフオクで6冊のセットを
落札した。
*
晩には
Amazonから
注文していた
『タレガ伝』が届き、
パラパラと捲っているうち
惹き込まれるように
読み耽ってしまった。
5/27のコンサートで
久しぶりに
音楽堂大ホールの舞台で
『アルハンブラの想い出』を
演奏するので、
そのアナリーゼの一貫として
作曲者の生い立ちや
作曲背景なぞを勉強している。
半世紀も彼の作品を多々弾いてきて、
ちゃんとした生育歴を
知らずに来たが、
新たに知り得たことは
驚くべきことに満ち溢れていた。
殊に、
「パガニーニばりのテクニックに
ショパンのような抒情性があった」
という、当時の
数多の演奏評を見るにつけて、
真のマエストロだったんだ、
と再認識させられた。
・・・であればこそ、
あれだけの名曲の数々をも
生み出せたのだろう・・・。
昨年の『リュートマラソン』でも
40年ぶりに弾いた
『マリエッタ』は、
彼の待望の第一子の娘の名だが、
その子はわずか生後3ケ月で
病死してしまう。
その折、
『嘆き』という曲を創ったが、
これを後に『マリエッタ』と
改題したという。
タレガの作品のなかでも、
特段に憂いを秘めた
哀しみに溢れた名曲である。
このエピソードは
40年前にも、当時の
ジェイ・ベルリナーの
EPレコードの
ライナーノートにあり、
知ってはいた。
そして、
ことによると、
あの名曲『アルハンブラの想い出』も
単なる、名宮殿の想い出ではなく、
己が生涯をふり返って、
愛別離苦の哀しみなども
そこに込められていたのでは
と推察している。
そうでなければ、
あれほどの哀愁を帯びた名旋律は
魂の底からでないと
溢れてこないように思えて
しかたがない。
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