『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

声力

2018-10-29 07:55:00 | TV・ドラマ
Eテレの『100分de名著』を
視聴しているが、
『赤毛のアン』で朗読をした
上白石 萌音(かみしらいし もね)が
素晴らしかった。

教員時代から
通退勤での隙間時間活用の
車内学習として、
もっぱら落語や朗読、講演を
聴くことが多かったので、
市販の主なるソフトは
聴き尽くしたと思う。

なので、
365日×40年聞き続けている
落語と同様に、
聞き巧者になって
朗読の巧拙は
一目瞭然に判る。

この子は、
抜群にウマイ!

日本一の朗読巧者は、
橋爪 功であることには
揺るぎがないが、
それに追随する
市原悦子なみに
モネちゃんはスゴイ!!

キャラになりきり
その個性を表現、描写するのが
並外れている。

名人文楽、天才談志をもってして
「敵わない」と言わしめた
落語界最高のテクニシャン
金馬の八人芸を彷彿させる
語りわけが見事である。

そして、ドスの効いた
「声力」があり、
訴える力がハンパない。





知らない子だったので、
ウィキってみたら、
大ヒットした
アニメ『君の名は。』の
ヒロイン役だったという。

さもありなん、である。

┐(´ー`)┌ ヤッパシ・・・

そして、本人は
ミュージカル『赤毛のアン』でも
主役を演じたという。

ε= (•ω•`;)϶ ダカラカァ・・・

経歴を見たら、
NHKドキュメントのナレーターが
すごく多かった。

そりゃ、適役だろう。

鹿児島出身で、
まだハタチの
現役大学生だという。

朗読愛好家として
今後、モネちゃんの
ソフトが沢山出されることを
期待している。

この子は、
朗読の天才である。

なんだか、避けてた
アニメ『君の名は。』を
見たくなった(笑)。




新潟の古楽器奏者Sさんには
バロックギターのご注文やら
他に4本もの古楽器を
お求め頂いた。

そのなかでも、
ストラド・タイプと
ヴィウェラ、
ヴィウェリーノは
いずれも心血を注いだ自信作であり、
これらが遺作として
後世に残ってくれたら
有り難く思っている。

古楽器は
その典雅な響きも魅力だが、
なにより佇まいが美しい。

鑑賞に堪える美を
纏っているのである。

それに比べ、
モダンギターは
機能性には優れているが、
その分「美」を削ぎ落としてしまった。

あまり「機能美」があるとも
思えない。

自分は何ゆえに
古楽器に魅かれるのか・・・。
それは、ひとえに、
その美しさゆえなのだろう。

青山二郎や白洲正子のように
ただただ、美しいものが好きなのだ。

それは
「真善美聖」と
同じ高みの
価値感だからでもある。

美しいモネちゃんの語りも
その範疇にある。

真実なるもの、
善きもの、
聖なるもの、
に通ずるもののみが、
人の琴線を震わすのである。

もちっと
精進潔斎して
心身の贅肉を削ぎ落とし
ファナル・リサイタルに臨もう、
と思った。

そうでなければ、
「直ぐなるもの」
「純なるもの」
を聞き手に届けられない。

そっか・・・。
庭樹の大伐採、
家中の大整理、
茶庭の作庭・・・と、
すべて一本の道で
繋がっていたんだ。

(; ・`д・´)…ゴクリ

したらば、
最近、フレンチ創りに励んだり、
眉目秀麗な容姿・声のモネちゃんに
魅かれたりするのは、
「美」への回帰、収斂なのだ。






夕食当番の日に
ソーモン・フュメ
(スモーク・サーモン)
を創って
ドレッセしてみたら、
カミさんが
「キレイー!」
と感動してくれた。

なるほど。

「美」とは
間主観性(intersubjectivity)
のもとに成り立っているのだ、
と再認識した。

これはフッサールの
現象学用語だが、
間主観的であるとは、
自分以外の他者との間で
価値感などに
同意が成立していることをいう。

その状態は、
「主観性」よりはマシだが、
「客観性」ほど確かなものではない。

「美」というものは、
人間の本能や価値感、
あるいは嗜好性に依拠しており、
そもそもが、
客観性を持たないのである。

グロイのが好き、
というJC/JKも
少なからずいる。

ハロウィン仮装も
好んで化け物メイクをする。

見るもの、聴くもの、嗅ぐもの、
味わうもの、触れるもの・・・
五感には共通の快感がある。

「美しさ」は視覚、聴覚でのみ
言い表されるが、
「芳しい」は嗅覚の、
「心地よい」は触覚の、
「美味しい」は味覚の、
「美」と同列の讃辞である。

生物にとって、
「美味しくないもの」は
毒なのである。

舌はそのトリアージをする
センサーなのである。

美味しい食べ物は、
心身の栄養とクスリになり、
古人はこれを
「喰い養生」
「合い薬」
ともいった。

もっとも、
「良薬、口に苦し」
というクスリもあるのだが・・・(笑)。






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