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上の写真は、宜良市場の入り口にある李烤鴨店。夕方4時を過ぎると、行列になる。別に特別、セールをやっているわけではなく、日常の風景なのだ。(2010年夏撮影。)
【宜良を代表する烤鴨店】
次に市場で唯一、長蛇の列になっていた李烤鴨店を見てみました。他店を圧倒する製法の秘密は、「無公害」アヒルを使うという肉の質へのこだわりと、焼き上げた後、吊したまま、熱風で風干しするところ。こうして、皮をより一層、パリッと仕上げるのです。
お味はアヒルの身も引き締まり、脂身よりも旨さが際立つ日本人好みの「烤鴨」でした。(昆明市内のスーパで売られている真空パック包装のものは、当たり前ですができたてではないので、皮のパリパリ感がないせいか、残念ながら味が一段、落ちるように感じます。)
また市場には私が最初に宜良に行くきっかけとなったレストラン・学成烤鴨店の烤鴨のみを売っている売店もありました。こちらはこじんまりとしていて、目立った列はできていません。やはりレストランが主流なのでしょう。
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上の写真は宜良の学成飯店のテイクアウトの烤鴨を売る店。市場にも小売店はあったが、昆明のレストランほどの人気はない。テイクアウトなら李烤鴨店の方が人気が高い。
じつは「学成」も宜良を支える出世頭的存在です。
1980年代後半の改革開放期。宜良の狗街出身の蘭学成が、当初よりアヒルの養殖を手がける「蘭老鴨公司」と食事を提供する「学成飯店」の二本柱で経営を始めました。
飛躍は1992年。北京の全国家鴨協会展覧会に参加し、最新の北京アヒルの養殖技術を文革以降で、はじめて雲南で導入。
2007年に経営が安定し、次への飛躍を願って、アヒルの質にこだわり、小型で、脂身がつきにくく、旨みの深い、宜良産の雲南地鶏(滇麻鴨)を使った「烤鴨」を復活させました。このアヒルは生育期間が北京アヒルの2倍の60日かかるわりに小型のアヒルにしかならないというコストがかかるものなのですが、食べれば納得、の味わいなのです。値段は北京アヒルの1・5倍から2倍の値段で売っています。
こうして「学成」烤鴨店は現在も、雲南の「烤鴨」業界のトップを疾走し続けているのです。
また、他2店舗、改革開放以来、宜良を牽引し続ける烤鴨店がありますが、これらは、切り方や見せ方を工夫した店。このような名の知れた店だけではなく、白Tシャツのおじさんのお店のような家族経営の店から、新たな技術を開発してチャレンジする店まで、宜良ダックの世界は、今も熱い戦国時代を突き進んでいるのでした。 (つづく)
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宜良の市場では、次々と宜良烤鴨の技術革新の店が生まれている。店には、赤い文字で「挑戦 伝統風味」の文字が。新鮮で脂っこくなく、簡単に手で骨と肉がほぐれる「緑色保健」の安全な烤鴨だとアピールしている。一流店では、一匹、ともすると35元するところを、18元、20元で売る、典型的な安売り店だが、品質も一流だと、猛アピールしている。
※いつも、お読みくださり、ありがとうございます。宜良ダックの記事はどうやら、米線以来の奥深い話となりそうです。長くなりますが、夏の暑さにうだりつつ、ビール片手にちょいと息抜きに、お読みくださればと思います。さて、いろいろとありまして、更新を2週間、お休みさせていただきます。ノルウェーで、不気味な爆弾テロが起きましたが、夏の旅行に行かれる方、十分にお気を付けください。
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