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写真は「ボティン」内にある子豚の丸焼きを作る窯。炭火が燃えている。左の棚には平皿に載せられた内臓を取られた子豚の開きが載せられ、窯の右には茹でたじゃがいもがボールに山積みになっていた。焼き加減などプロの技が光る。
【世界最古のレストラン】
次に食事です。同じ場所、同じ店名で休むことなく営業を続ける世界最古のレストランとしてギネスブックにも載る「ボティン」。昼なら予約なしでも大丈夫とのガイドブックを信じてランチに行きました。すぐに入れました。
ヘミングウェイも通っていた創業300年近いこの店の名物は、子豚の丸焼き。表面カリっと、中身がジュワっと。ほどよい塩味で最高です。
フィリピン・セブの豚の丸焼きはワイルドですが、こちらは平皿に盛られて、いかにも上品な感じ。豚がほんとうに小さいので一皿に盛ることができるのです。
創業以来、炭火を使って専用窯で焼き上げているそう。塩をまぶして炭火でじっくりというところが共通するところ。これにセブでは発酵した辛めの付けタレが付属されていましたが、マドリードは塩一択でした。
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厨房で焼き上げた丸焼きを、客のいるホールの端っこで、半身に切り分け、さらに食べやすい大きさに切り分けて平たい皿の上に小玉の剥きジャガイモもトッピングして供してくれました。3人でちょうどいい量でした。
ほかの料理も充実していて、チキンスープは体にしみるやさしい味。
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アーティチョークとベーコンの炒め物は、アーティチョークの苦みを、油でコーティングしたような日本にはない味。私は苦手でしたが、もともとパセリなどの苦みのある香菜好きの夫は気に入っていました。
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ベルギーで食べ損ねた「白アスパラのマヨネーズ添え」がメニューに載っていたので、喜び勇んで頼むと、出てきたのは冷菜。ベルギーは温野菜なので別物です。太さはまるで違いますが、高度経済成長期の社宅で父がビールのつまみに好んでいた缶詰の白アスパラを思い出しました。たぶん、これも保存されたものなのでしょう。全体的に親しみやすい、どちらかというと家庭的な味つけ。とくにデザートは気取りがなく、甘すぎず、最高でした。
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(つづく)
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