(注)本速報は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0360OilMajor2015-3rdQtr.pdf
2.五社の前年同期との業績比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf参照)
(1) ExxonMobil
ExxonMobilの2015年7-9月期の売上高は673億ドルであり、前年同期の1,071億ドルに比べ37%の減収であった。利益も同様に大幅に落ち込み前年同期を48%下回る42億ドルにとどまった。利益の落ち込み幅が売上よりも大きかったため、同社の売上高利益率は6.3%となり前年同期の7.5%を下回った。
原油の生産量は前年同期を12%上回る233万B/Dであったが、天然ガスは前年同期を10%下回る日産95億立方フィート(以下cfd)であった。石油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で392万B/Dとなり、前年同期の383万B/Dを2%上回っている。また7-9月期の設備投資は77億ドルであり、前年同期の98億ドルに比べ22%減少している。
(2) Shell
Shellの2015年7-9月期の売上高は692億ドルであり、前年同期の1,098億ドルに比べ37%の減収であった。Shellは今期▲74億ドルと大幅な欠損を計上しており、前年同期の45億ドルの黒字から一転している。この結果同社の売上高利益率は前期のプラス4.1%に対して今期は▲11%であった。
原油の生産量は前年同期を6.9%上回る153万B/Dであり、天然ガスは前年同期とほぼ同水準の78億cfdであった。石油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で288万B/Dとなり、前年同期の279万B/Dを3.2%上回っている。また7-9月期の設備投資は64億ドルであり、前年同期の85億ドルに比べ24%減少している。
(3) BP
BPの2015年7-9月期の売上高は547億ドルであり、前年同期の939億ドルに比べ42%の大幅な減収であった。利益の落ち込みはさらに激しく前期13億ドルの利益に対し、今期は5千万ドルにとどまっている。この結果同社の売上高利益率はわずか0.1%で前年同期の1.4%よりさらに悪化している。
原油の生産量は前年同期とほぼ同じ111万B/Dであり、天然ガスも同じく前年同様の60億cfdであった。石油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で215万B/Dである。また7-9月期の設備投資は44億ドルであり、前年同期の53億ドルに比べ17%減少している。
(4) Total
Totalの2015年7-9月期の売上高は406億ドルであり、前年同期の604億ドルに比べ33%の減収であった。利益は11億ドルで前年同期(35億ドル)の69%であり売り上げの減少以上に悪化している。この結果売上高利益率は2.7%となり、前年同期の5.7%より大きく低下している。
原油の生産量は前年同期を19%上回る124万B/Dであったが、天然ガスは前年同期横ばいの60億cfdであった。石油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で234万B/Dとなり、前年同期の212万B/Dを10%上回っている。また7-9月期の設備投資は56億ドルであり、前年同期の57億ドルとほぼ同じである。
(5) Chevron
Chevronの2015年7-9月期の売上高は343億ドルであり、前年同期の547億ドルに比べ37%の減収であった。利益は売り上げ以上に落ち込み前年同期の56億ドルから今期は20億ドルにとどまった。この結果、同社の売上高利益率は5.9%となり前年同期(10.2%)を大幅に下回った。
原油の生産量は前年同期をわずかに下回る168万B/Dであり天然ガスは前年同期並みの52億cfdであった。石油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で254万B/Dとなり、前年同期の257万B/Dをわずかに下回っている。また7-9月期の設備投資は80億ドルであり、前年同期の94億ドルに比べ15%減少している。
以上
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