(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0503WorldRank7.pdf
(世界ランクシリーズ その7 2019年版)
6.世界の武器輸出国と輸入国
ここでは世界の武器の輸出入額を取り上げる。各国の輸出額あるいは輸入額は年度によって大きく変動するため、2010年から2019年までの10年間の合計額について比較検討を行う。
(世界の二大武器輸出国―米国とロシア!)
(1) 主要国の武器輸出額(2010年~2019年合計額)
(表http://rank.maeda1.jp/7-T06.pdf参照)
(図http://rank.maeda1.jp/7-G06.pdf参照)
2010年から2019年までの10か年間の武器輸出額は世界全体で約2,800億ドル強であり、年間平均では280億ドルであった。国別では米国とロシアが際立って多く、米国の10年間の輸出総額は962億ドル、ロシアは668億ドルであった。世界全体に占める割合はそれぞれ34%及び24%であり、2か国を合わせると世界の武器輸出額の6割弱を占めている。
米国、ロシアに次いで輸出額が多いのはフランスの182億ドルであるが、米国あるいはロシアの4乃至5分の1にとどまっている。これに続いて輸出額が100億ドルを超えているのはドイツ(158億ドル)、中国(157億ドル)、英国(119億ドル)である。なお次項(輸入額)に触れるとおり中国は輸入額では世界第3位であり武器貿易大国である。
武器輸出額7位から10位はスペイン、イタリア、イスラエル及びオランダである。上位10か国のうちEU諸国が6カ国を占めており、EUは世界的な武器生産地域であることがわかる。なお上位10カ国は戦闘機、艦船、戦車、ミサイルなど高額な兵器を得意としているため輸出額が膨らんでいる。しかし多くの世界の紛争地域では小銃、機関銃、地雷、ロケットなど小型火器が使われている。中国、ウクライナ(輸出総額53億ドル、世界11位)、南アフリカ(同11億ドル、世界19位)などは、米国あるいはロシアに比べ金額的には少ないが影響力は小さくないと言えよう。
(続く)
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