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http://mylibrary.maeda1.jp/0502OilMajor2020-1stQtr.pdf
2.2018年第1四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(4)部門別利益の推移
(4-1)上流部門(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-66.pdf 参照)
前年の2019年第1四半期の上流部門の利益が最も多かったのはChevronの31億ドルであり、BP、ExxonMobilの29億ドルがこれに続いている。Totalの利益額は17億ドルで5社の中で上流部門の利益が最も少なかったのはShellの16億ドルである。
続く第2、第3四半期は各社とも利益はほぼ横ばい状態であったが、第4四半期は大きく変動し、トップのChevronが67億ドルという巨額の赤字を計上し一気に最下位に転落した。これに対してExxonMobilの利益は61億ドルに急伸し5社の中で上流部門の利益トップに立った。しかし2020年第1四半期はChevronの利益が急回復しトップに返り咲く一方、ExxonMobilは利益が一桁台の5億ドルに急減し、BP及びTotalを下回った。Shellは過去1年間上流部門の利益が低迷しており、前期、今期の2期連続でマイナスとなっている。
(4-2)下流部門(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-67.pdf 参照)
2019年第1四半期の各社下流部門の業績は17億ドルの利益を計上したBPをはじめShell、Total、Chevron各社もプラスとなりExxonMobilのみ3億ドルのマイナスであった。その後、第2四半期から第3四半期までは全社が利益を計上、特にShellの第3四半期利益は24億ドルに達し、過去1年間では最も多くなっている。2020年第1四半期は明暗が分かれShell及びChevronが前期比増益となったのに対し、BP、Total及びExxonMobilは減益となり、特にExxonMobilは5社で唯一損失を計上している。
過去1年間を通じて下流部門の利益変動が最も大きかったのはExxonMobilであり、2019年第1四半期の▲2.6億ドルから4.5億ドル(’19 2nd Qtr)→12.3億ドル(’19 3rd Qtr)→9億ドル(’19 4th Qtr)→▲6.1億ドル(’20 1st Qtr)と落差が激しい。
(5)設備投資の推移 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-64.pdf 参照)
5社の四半期ベースの設備投資額はExxonMobil及びBPが毎期ほぼ安定した投資を行っている。ExxonMobilの各期の投資額は69億ドル(’19 1st Qtr)→81億ドル(’19 2nd Qtr)→77億ドル(’19 3rd Qtr)→85億ドル(’19 4th Qtr)→71億ドル(’20 1st Qtr)であり、全期を通じて常に5社で最高の投資を続けている。
同社に次ぐ投資を行っているのはShellであり、その金額は51億ドル(’19 1st Qtr)→52億ドル(’19 2nd Qtr)→60億ドル(’19 3rd Qtr)→67億ドル(’19 4th Qtr)→43億ドル(’20 1st Qtr)と推移している。Chevronの投資額は5社中の3位であるが、各期の投資は40億ドル~70億ドルの揺れ幅がある。Totalは昨年第3四半期こそExxonMobilに次いで高い67億ドルを投資しているが、その他の四半期は40億ドル前後でBPと並び設備投資額は少ない。
(続く)
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