石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ21(天然ガス貿易篇7)

2021-08-29 | 今日のニュース

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0539BpWorldEnergy2021.pdf

 

(4) 天然ガス貿易(パイプライン + LNG合計)(続き)

(20年間で1.8倍に伸びた世界の天然ガス貿易!)

(4-2)2000年~2020年の世界の天然ガス貿易

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-3-G03.pdf 参照)

 2000年以降の天然ガスの貿易量を見ると、2000年に5,278億㎥であった貿易量は2004年に6千億㎥、2007年に7千億㎥を突破した。しかし同年以降は伸びが鈍化し、8千億㎥に達したのは2016年であった。2017年以降は再び増加傾向が顕著になり、2019年の貿易量は9,901億㎥となり1兆㎥達成は目前となったが、2020年は新型コロナウィルスの影響により9,401億㎥に後退、対前年比▲5%の大幅な減少となった。

 

2000年と2020年を比較するとパイプラインによる貿易量の伸びは1.3倍であったのに対してLNGの伸び率は3.1倍である。LNGは最近の伸びが特に著しく2010年には対前年比21%という高い増加率を示している。天然ガス貿易はパイプライン或いはLNG設備が完成すれば貿易量が飛躍的に伸びるという特性があるが、LNG貿易は近年ロシア、豪州の設備新設或は米国のシェールガス液化等により供給力が増加したことが貿易量の増大につながっている。このような貿易構造の変化の結果、貿易全体に占めるパイプラインとLNGの比率は2000年にはパイプライン73%、LNG27%であったが、その後LNGの比率が徐々に増加、2006年には30%を超え、2020年はパイプライン48%に対しLNG52と逆転している。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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