1. 純利益[1]
(前期に続き全社で利益計上、最高はExxonMobilの47億ドル!)
(1)当期利益 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-52.pdf 参照)
国際石油企業(以下IOC)5社の4-6月期は1-3月期に続きいずれも利益を計上している。後述するが前年同期の20年4-6月期は全社が赤字であり、中でもShellとbpの赤字幅は記録的であったことに比べ各社ともコロナ禍の最悪の状況を脱したものと見られる。
5社の中で利益が最も多かったのはExxonMobilの47億ドルであり、次いでShell(34億ドル)、bp(31.1億ドル)、Chevron(30.8億ドル)が30億ドル超でならんでいる。5社の中で最も利益が低かったのはTotalEnergiesの22億ドルであり、ExxonMobilの半分以下にとどまっている。
(悪夢の2020年業績、ようやく安定した今年上半期!)
(2)2019年7-9月期以降今期までの利益の推移
(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)
ここでは過去2年間、すなわちコロナ禍発生以前の2019年7-9月期から今期(2021年4-6月期)までの利益の推移を追ってみる。2019年7-9月期はShellが59億ドルの利益を計上、ExxonMobil、TotalEnergies及びChevron3社の利益は30億ドル前後であった(bpのみ7億ドルの赤字)。
ところが同年10-12月期にChevronが66億ドルの大幅な赤字決算になったのを皮切りに、2020年に入ると1-3月期にはbpが44億ドルの欠損を記録した。そして4-6月期には全社が赤字決算となった。中でもShellは▲181億ドル、bpは▲168億ドルの巨額の赤字となり、Total、Chevronも共に▲80億ドル強の赤字決算となった。この時比較的マイナス幅の小さかったExxonMobilも10-12月期には▲201億ドルと言う同社の歴史上かつてない赤字を経験したのであった。
今年に入り米国および中国の経済が回復軌道に乗ると共に、国際石油企業各社の業績も急回復し、1-3月期は全社がプラスに転じた。そして4-6月期もその傾向が継続し、ExxonMobilの47億ドルの黒字を筆頭に各社はいずれも20億ドル以上の利益を確保している。
(続く)
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[1] 「純利益」は各社資料から下記項目を抽出した。
ExxonMobil:Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)
Shell:Incom/loss attributabel to shareholders
bp:Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders
TotalEnergies:Netincome (TotalEnergies share)
Chevron:Net income