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(4) 天然ガス貿易(パイプライン + LNG合計)(続き)
(急増する中国の天然ガス輸入、2014年以降緩やかに減少する日本!)
(4-3)中国と日本の天然ガス輸入(2000年~2020年)
2000年以降2020年までの中国と日本の天然ガス輸入量の推移を比較する。
(4-3-1)中国
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-3-G04.pdf 参照)
中国は2005年まで天然ガスの輸入は無く、完全自給体制であった。2006年にLNG10億㎥を初めて海外から輸入すると2010年には130億㎥に膨らんだ。同時に中央アジア産ガスのパイプラインによる輸入が始まり、同年の合計輸入量は164億㎥を記録した。
その後中国の天然ガス輸入は急激に膨らみ、翌2011年には300億㎥、2013年には500億㎥の大台を超え、2018年にはついに1,200億㎥強を輸入し、日本を追い抜いて世界一の天然ガス輸入国になった。2020年の輸入量は1,391億㎥であり、日本との差は400億㎥近くに開いている。
2010年と2020年を比較すると輸入量は8.5倍に増加しており、内訳を見るとLNGは7倍、パイプラインは13倍とパイプラインの増加率が大きい。2020年の輸入構成はLNGが68%、パイプラインが32%であり、LNG輸入がパイプライン輸入の約2倍である。
(4-3-2)日本
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-3-G05.pdf 参照)
日本の天然ガス輸入は全量LNGである。2000年以降の輸入量の推移を見ると、2012年までは多少の変動はあるものの増加傾向にあった。しかし2014年をピークに2020年に至るまでは長期低落傾向にある。
2000年の輸入量は740億㎥であったが、2003年には800億㎥を超えた。2004、05年は再び700億㎥に下がり2007、08年に900億㎥を超える輸入があった。2009年に一旦減少した後、2010年から成長軌道に入り2011年に1千億㎥を突破さらに2014年に1,218億㎥のピークに達した。
しかし2015年以降は緩やかな下降が続き、2020年の輸入量は1,020億㎥と1千億㎥すれすれの水準となり、急成長を続ける中国と対照的である。
以上
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