(英語版)
(アラビア語版)
2023年3月
Part III:キメラ(Chimera)
74. ネオ・ギャラクシーの誕生(3)
創造主が恐れたのはヒト種が死滅することではない。彼が恐れたのはヒトが他の種を道連れにし、地球そのものからあらゆる生物の種が絶滅すること。即ち地球そのものの「死」を恐れたのである。彼らヒト種は今や怪物に変身しつつあった。ギャラクシーの遺伝子操作を最初に行った科学者Dr.ジルゴは変異した怪物を「キメラ」と名付けたが、本当は彼自身が怪物に変異したのである。
創造主は科学者及び彼らを支援する一部のヒトに強い憤りを覚えた。と同時に近い将来地球に起こるであろうヒトのスタンピードを直ちに阻止しなければならないと決意した。彼はキメラを元のギャラクシーに戻すと共に、遺伝子の一部にほんの少し新たな命令を書き加えて新種のネオ・ギャラクシーを作り出した。そしてネオ・ギャラクシーに地球に戻るプログラムを組み込んだ上で虚空に解き放ったのであった。
ネオ・ギャラクシーは闇の宇宙の中に戻っていった。そこでは空間軸と時間軸が支配し、空間は前後上下左右に広がり、時間は過去から未来へと流れていた。冬眠状態のウィルスは与えられた運命のままに猛スピードで宇宙を駆ける。
ネオ・ギャラクシーは冬眠状態のまま再び宇宙空間に舞い戻り地球を目指した。とは言えそれは彼自身の意思によるものではなく創造主が彼の遺伝子に組み込んだプログラムに従ったまでのことである。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
前節まで:http://ocininitiative.maeda1.jp/EastOfNakbaJapanese.html
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