(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(71)
第27章 米軍乗り出す(5)米軍機の救援呼びかけ(2/3)
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その時である。彼らのヘッドフォンに滑らかな英語が飛び込んできた。
「こちら貴機救援のためカタール・ウデイド基地を発進した米軍機である。現在貴機の後方にあり。貴方3機を安全に目的地まで誘導する。聞こえたら応答せよ。」
『エリート』が直ちに米軍機に応えた。エリートの声には安堵の色が滲んだ。無線を傍受した『マフィア』は、これで再び祖国の英雄として帰還できる道が開けた、と満面に笑みを浮かべた。
しかし『アブダラー』だけは違っていた。彼は安堵した訳でもなく、まして大喜びした訳ではなかった。むしろ彼の顔に一瞬陰りが生じ、次いで体の中から恐怖心が沸き上がった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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