3.世界の石油・天然ガスの消費量
(3-2) 米国、中国、日本、インド4カ国の2010~2021年消費量の推移
(首位交代が近い米国と中国!)
(3-2-1)石油 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03a.pdf参照)
2021年の石油消費量が世界1位から3位までの米国、中国、インド及び世界6位の日本について2010年から2021年までの消費量の推移を追う。
2010年の米国の消費量は1,830万B/Dであり、中国930万B/D、日本440万B/D及びインド330万B/Dであった。米国と中国はほぼ2倍の格差があった。米国は2011年、12年と2年連続で1,800万B/Dを割ったが、2013年以降再び増加し2019年には1,940万B/Dに達した。2020年はコロナ禍のため1,720万B/D強に急減したが、2021年には1,870万B/Dまで回復している。
これに対し中国の消費量は一本調子で増加、2012年に1千万B/Dを突破、その後も増加の勢いは止まらず、2020年のコロナ禍でも消費量が落ちることは無く、2021年は1,540万B/Dであった。首位米国との格差は20%に縮まる一方、インドの3倍、日本の4倍に達している。
日本の消費量は長期減少傾向にあり、2010年に米国、中国に次ぐ世界3位であったが、2015年にはインドを下回り、その後サウジアラビア及びロシアにも追い抜かれ、昨年の消費量は世界6位の334万B/Dであった。
(アジアの天然ガス消費をけん引する中国!)
(3-2-2)天然ガス (図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03b.pdf参照)
米国(2021年の天然ガス消費量世界1位)、中国(同3位)、日本(同7位)及びインド(同14位)の2010年から2021年までの消費量の推移を見ると、2010年は米国が6,480億立方メートル(㎥)、次いで中国が1, 090億㎥、日本1,000億㎥、インド590億㎥であった。 米国とその他3カ国の格差は6倍以上であった。その後中国の消費量は急ピッチで増加、2016年には2千億㎥、2019年には3千億㎥を突破、2021年の消費量は3,790億㎥を記録し、米国との格差は2倍に縮まっている。
一方この間日本の消費量は2014年の1,250億㎥を天井にその後は年々減少し、2021年には1,040億㎥となり中国の4分の1に縮小している。インドは2010年の消費量590億㎥に対し2021年は620億㎥であり過去10年間にほとんど増加していない。
(まだまだ格差が大きい1位米国と2位中国!)
(3-2-3)石油+天然ガス(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03c.pdf参照)
石油と天然ガスを合計した消費量を米国、中国、インド及び日本の4カ国で比較すると、まず2010年の消費量は米国が2,950万B/D(石油換算、以下同じ)であり、中国も1千万B/Dを超えており(1,120万B/D)、日本とインドは610万B/D及び430万B/Dであった。米国は2019年に3,410万B/Dまで伸びたが、2021年は3,290万B/Dに減少している。
中国は過去10年間一度も減少することなく2021年の消費量は2010年の2倍、2,200万B/Dに増加している。日本は石油、天然ガス共に過去10年間消費が減少しており2021年の消費量は510万B/Dで2010年を100万B/D下回っている。インドは天然ガス消費は停滞したが、石油消費は増加している。この結果合計生産量では2018年に日本を超えて現在に至っている。
(続く)
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