ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

駐車場料金自動支払いシステム

2004年09月09日 | ITS
松下電器、住友商事、JCB、三井住友カードの4社は、共同で日本初ICクレジットカード対応のDSRC駐車料金自動支払いシステムを開発すると発表した。松下電器ニュースリリース

以前から指摘しているとおり、駐車場については間違いなく「ノンストップ」という消費者ベネフィットが存在する訳で、これら大手4社が本気でやるなら、それなりのマーケットを形成する事になるだろう。

ポイントは前にも書いたが、
・既に料金収受を無人化している駐車場業者がこれに投資をするか?客数増加に繋がるならするだろうが。
・対応ETC車載機の普及と、対応駐車場の普及がチキンエッグ状態となる。車載機の普及が不透明な中で駐車場が投資をするわけがないし、サービスを受けることに出来ない車載機に消費者がプレミアムを払うこともあり得ない。
車載機側で小売り価格アップなしに対応するというブレイクスルーが必要。
・駐車場ノンストップ決済はたしかに便利だが、それに対する消費者の金額換算価値はどの程度なのだろうか、よく考えるべきである。普通の人にとっては、ETCの付加機能として付いているならその方がいい、というレベルのものだろう。

故障診断

2004年09月09日 | ITS
外出などでアップデートが滞ってしまった。
さて、テレマティクスの消費者ニーズについて書いてきた。
今日は「故障診断」について。

故障診断とは、車両に自己診断の仕組みを組み込み、車に異常や消耗品の交換時期が来たら、その情報をカーメーカーのサーバーに飛ばし、カーメーカー(ディーラー)から入庫の案内がくるというサービスである。

この故障診断という機能がテレマでは必ず謳われるが、ちょっと疑問な点は何故その情報をカーメーカーのサーバーに送らなくてはいけないか、ということである。
このままでは爆発するというなら、確かに連絡は必要だろうが、消耗品交換時期や通常のトラブルであれば、車ローカルの計器に表示すればいい話だ。ユーザーはそれを見て、自分の意志で修理先を決めればいい。

カーメーカー(ディーラー)にはおいしい話だ。顧客の車に修理の必要が生じたら、それを察知し呼び込める。修理やメンテナンスはサービスという名の商売である。
さらに、メーカー・ディーラーは走行距離情報を手に入れることが出来る。これは新車買い換え時期を判断する大きな要因である。
もしかしたら位置情報までとるかもしれない。他社ディーラーの駐車場に入ったら察知されるとか。まあ、それはないだろうが、管理社会的な恐ろしさすら感じてしまう。

確かに、安全を第一にして完璧な修理を望むユーザーも多い。そういうユーザーにとっては、有益なサービスであろう。

しかし、囲い込まれたくない顧客だって沢山いるはずだ。