ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

Q-CARとITS

2004年09月22日 | ITS
話題性がある商品と実際に売れる商品は違う。
話題が先行したが誰が買うの、って商品について、前々から一言いいたかったものがある。タカラの乗れるチョロQこと一人乗り電動自動車Q-CAR

なんでこんな物にこんな投資をしちゃったのかと2002年の発売時に私は本当にびっくりした。それ以上にびっくりしたのはマーケットが好意的に受け止めたこと。中央競馬会など多くの企業が懸賞に使った。今までの累計販売台数は500台ほどらしいが、懸賞などのプロモーションで市場に出た数の方が正規に売れた数より多いのではないかしら。
まあ、話題になったし、今でもTVで取り上げられたりする程メディア露出度は高い。これだけ露出してこれしか売れないってのもすごい。

それでは、何故売れないのか:
一人乗りである。
友達の家にあれで遊びに行っても、「じゃ、一緒に飯食いに行くか」が出来ない。
休日は一人で行動するタイプか、友人・家族がいない人でなければ、一人乗りの乗り物は選択しない。

オープンカーというのは、夏冬辛い乗り物である。
また、雨が降ると始末が悪い。出先で駐車出来ない。極端に趣味的な車である。

どう考えてもあのファニーな外観は子供向けだと思う。(最初に出た奴ね)あれを乗り回すのは相当の勇気が必要。というか、相当の目立ちたがり系の人でないと無理。

屋根付き専用駐車場がいる。
オープンだから屋根がいる。盗まれそうだし、充電しなくちゃいけないから車庫付き一軒家じゃないと無理。

で、軽自動車より高い120万円。

以上から、どんなユーザーの顔を見ることが出来る?どんな人がどんな用途につかうのか?謎としかいいようがない。
この商品を市場に出してしまったという事自体、大きな驚きである。

ITSも話題が先行している。ITと通信と車の融合という魅力ある素材に条件反射してしまったかのように、大きなマーケットがあると騒がれている。
どんなユーザーに何のベネフィットがあるのかという基本が欠落している。