ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

緊急通報

2004年09月10日 | ITS
テレマティクスのもたらすベネフィット、最後に緊急通報と盗難車追跡について考えてみよう。

緊急通報とは、事故発生(衝撃感知やエアバック展開感知)をセンターに送信し、119番通報されるというものである。それ以外にも強盗や急病時にワンプッシュで非常警報がセンターに送信されるようになっているケースが多い。GPS情報とリンクして位置特定が出来るので、ドライバーが気を失っても救急車がやってくる。
すでに我が国にもヘルプネットというサービスが存在する。まだ対応している車載機や車種が少なく、普及は今ひとつのようだ。

アメリカではこの緊急通報のニーズがかなり高い。しかし、世界一安全な国に住む我々には今ひとつぴんと来ない。さらに、日本は人口密度が高く、事故を起こしても通常は誰かが近くにいて通報をしてくれるのが普通だろう。

さらに、消費者(特に日本人)はこうした非常事態に対するコストをあまりかけない。自分にはそんなことは起きないと思っているからである。

盗難車追跡については過去に書いているので詳細はさけるが、盗難リスクの高い特定の車に乗ってる人には重要な機能だろう。しかし、まだ全てのユーザーが必要としているかというと疑問だ。
また、盗まれた車を追跡するためには車に通信端末が埋め込まれてなくてはならない。乗車時だけ携帯を接続するという使い方は出来ない。そこがまだ敷居を高くしている。

さらに、セコムがココセコムという商品名で既に専業者として市場に参入しており、専業者ならではの緊急対応サービスとリーズナブルな価格でユーザーを増やしている。新規参入の壁は高い。

どちらも実用的なサービスであるが、万人向けのキラーコンテンツにはならないだろう。

車々間通信

2004年09月10日 | ITS
テレマティクスがもたらすと言われているベネフィットに車車間通信がある。

車々間通信というのは車と車の間の通信。(そのままだろ!)
まあ、車が他の車とコミュニケーションをしたいわけではなく、車と車が通信回線で結ばれていることによって、運転者に有益な情報を提供するということである。

複数の車両でドライブに行ったときに、仲間がどこにいるかをナビ画面に表示するといった機能が当然考えられるが、携帯電話が発達している現在ではそれほど大きなニーズはないだろう。

むしろ、最近は安全関連への応用が注目されているようである。
例えば、見通しの悪い交差点で、車が来るのが判る。
例えば、高速道路を隊列を組んで自動運転する事が出来る(プラトーン走行)
しかし、この運用をするためには道を走っている車に100%装着が要求されるのだろう。それには大変な時間がかかりそうだ。

それよりも、車載カメラやレーダーによる自立システムのほうが実現性が高いと思うのだがどうなのだろう。