ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

首都高速の偽造券

2004年09月20日 | ITS
おととい(9月18日)の午後、首都高速の偽造券に関するテレビ番組が放映されていた。かなり精巧な偽造券が運輸業者に出回っており、道路公団は結構な被害を被っているようだ。番組によれば、真剣な取り締まりや利用者への警告などが行われていないという。

公団にしてみれば、根本的な解決策として回数券を廃止し割引をETCに一本化するというストーリーがあるので、それまでは成り行きにまかせようという気持ちがあるのだろう。

ETCは、利用者にとってはノンストップ利用が可能、公団にとっては人件費削減、偽造対策となり、いわばウィンウィンの施策である。商品としてみれば、よっぽどやり方を間違えない限り普及して当たり前の物だと言える。

今、なんとか普及に加速がつきはじめたが、ここまでには色々な苦悩があった。それはまさにマーケティングマインドの欠落だったと思う。しかも、まだそのツケをしょっている。

根本的な問題として指摘されていることは、将来の拡張性を考えてオーバースペックにしてしまったこと、それに起因して車載機の価格が高いことである。
電機メーカーの努力と、量産効果で一万円に近づいてきているが、それでも5000円のキャッシュバックをやめられない。

つまり、このベネフィットに対する消費者の価値評価が5000円だということだろう。これは、きちんとマーケティングをしていれば前もってわかる。
好きな人が買えばいいという商品ではない。公団はいずれ100%装着を目指している訳だから、誰もがリーズナブルな値頃を感じる価格設定にする必要があった。立ち上がり時の価格・条件(機器代3万円、割引なし)では一部のヘビーユーザーやマニアユーザーしか買わないだろう、ということはマーケティングリサーチ以前の問題として、健全な消費者感覚をもっていればわかったはずだ。