ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

日本ITS推進会議

2004年09月14日 | ITS
去る9月8日、日本のITSに関する新たな会議体として「日本ITS推進会議」が発足し、初会合を開いた。関係省庁の局長、自工会会長など、ITSに関連する重鎮で構成されている。
目指すべき交通社会(事故死者、渋滞ゼロなど)とITSの進め方、官民の取り組み課題などを議論する。

9月9日付けの日刊自動車記事を引用する。

以下引用

政府が96年に「ITS推進に関する全体構想」を公表して以来、カーナビやVICS,ETC等が普及し、ITS市場は黎明期を過ぎた。一方でテレマティクスやプローブカー構想など民間主体のサービスは普及に弾みがつかず「成長役のエンジン」を探している状況だ。「ハード偏重、ソフト戦略不在」と反省も聴かれる中、同会議がどのようなビジョンを打ち出すが注目される。

ここまで

まあ、8年も探して見つからないということは、成長役のエンジンなんてないんじゃないか、と思うべきだろう。決してハード偏重がいけなかったとは思わない。ソフト戦略不在というよりも、もっと単純に「何が消費者にとって価値ある物であるか」ということをきちんと考えなかったツケが回ってくるのではないのか。

テレマティクスの本当の狙い

2004年09月14日 | ITS
ここまで、テレマティクスの消費者ベネフィットには大騒ぎする程のマーケットバリューがないぞ、と書いてきたが、テレマティクスの最終ゴールはなにかというと、先日ほんこんさんからコメントをもらったように実はカーメーカーがCRMをしたいのだ。テレマティクスで顧客に利便を提供し、利益を得ながら顧客情報も頂くというのが最初の目論見だったとおもう。しかし、コストをまかない、その上利益を生む有料サービスは厳しいということが判り始めてきたようだ。
まさに、日産はカーウイングスの有料コンテンツを3年間無料にするという。

顧客囲い込みのための顧客情報の入手と、顧客とのインタラクティブなやりとりができればそれで良い、そのコストだという判断に変わりつつあるようだ。

確かに、ディーラーでサービスを受けない顧客の車は今累計で何キロ走行しているか、カーメーカーサイドには判らない。故障が多発していても、民間の修理工場に入っていると判らない。従って、買い換えの時期を知ることが出来ない。それを根本的に解決するためには車とダイレクトに繋がって情報をとれるようにすればいいのだ。

テレマティクスそれ自身は儲からなくてもいい、これはこれでいいのだというのなら、これ以上突っ込んでも意味がない。
が、しかし、これにも疑問がつきまとうのである。
疑問は大きく分けて2つ。
その情報を本当に活用できるのかということと、顧客情報保護に反するのでないか、ということである。