株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

明日の注目銘柄(8.15.05)

2005-08-13 21:42:35 | 明日のモニタリング銘柄
いよいよお盆ですね。にわかデイトレーダー達が待ちに待った日が訪れました。しかし、最近は休みを分散して取る傾向が強いようです。そうすると先週後半の新興市場の冴えない動きで、既ににわかデイトレーダー達は出鼻をくじかれているかも知れません。常連さんは、彼らの不用意な買い出動に過度な期待をしない方が身のためかも知れません。

その冴えない相場であろうがなかろうが、必ず市場の一隅にはその日にハイライトを浴びる銘柄が存在します。そのような千両役者を仕立て上げないと、観客に飽きられてしまうことを取引所は恐れているのでしょう。いや、取引所は単に場所を提供しているだけだったですね。そうなると、誰がその役者連中を奉り上げているのでしょうか? 市場参加者全員と言ってしまえば身も蓋もありません。材料で活況を呈するケースを別にすれば、多分仕掛け人がいるのでしょう。世の中は相も変わらず、支配する人間と支配される人間が再生産されているとは、ルイ・アルチュセールの言葉ですが、この再生産のメカニズムをいずれ覗きみたいものです。

閑話休題、明日15日の注目銘柄を例によって検討しました。自画自賛する訳ではありませんが、最近、当たる確率が少々高くなっているような気がします。それにしては筆者の資金残高の増え方が鈍いようです。

1.2449プラップジャパン △

 7月に上場した広報活動支援の会社らしいのですが、総選挙を控えて、自民党との契約締結が囃されているようです。OSCは34%と1%、RSIも49%と3%、それぞれコンバージェンスしています。PR会社のようですが、オグルビーと資本提携もしており外資系といえます。PRAPと言う名前といい、理解しがたい会社のようです。筆者は、こうした「世論操作」のプロのような会社には好感を持てませんが、自民党が契約するということは、日本人に対してそれだけ効果があると踏んでの事でしょう。政党PRに騙されないよう自らの信念で投票しましょう。(関係ない、か。)

2.3773AMI △

 OSCは39%で前日と変わらず。RSIも20%と+3%コンバージェンス。乖離幅も-2K。指数値も最低をマークしています。普通なら上がるパターンです。まだまだ業績期待が先行していますが、ここで806Kを抜き去って上昇に転じるか、それとも、化けの皮がはがれる、長い凋落の一里塚に過ぎないのか、明日の動きと出来高で明らかになるでしょう。

3.2410キャリアデザインセンター ▲

 分割・好業績も株価は反応せず。既にこれまでの高騰過程でそれらは織り込み済みということでしょうか。しかし、OSCはまだ36%、RSIも38%と前日比変わらずで低い水準にあります。そして、乖離幅も-9K、指数値も史上4番目の低さです。素直に反発する場合、それに付いていく戦法。

4.6667シコー技研 ▲

 業績下方修正で886Kの高値からすると約半分近くまで下げました。通期の利益半減の見通しからすると、これ以上の大幅な下げはないと思われます。懸念材料は携帯というのはハードは成熟、競争は激化、利益率低下、という悪循環にはまっている中で、本当に黒字化できるのかということでしょうか。但し、テクニカルにはすべて良くなっています。乖離-6K、OSC21%、RSI11%でともにコンバージェンス。指数値は7月8日の半分以下へと下落し最低値に。453Kの金曜日安値が抵抗線になるかどうか注視。ここで下げ止まれば切り返しの可能性大。

5.4321ケネディクス △

 公募などで18%の株式希薄化懸念で大きく下げたが、これで、乖離-6K、OSCも45%となりコンバージェンス、指数値も8月5日段階まで戻しています。業績拡大見通しとどこで相殺されるかということとなりますが、400Kまで行った株を18%だけ切り下げると328Kとなります。金曜日の安値が326Kですので、これが底打ちのサインとすれば、後は350Kあたりまで戻すだけです。

6.3328ネットプラス ○

 この株、不思議な念力があり、ある水準まで下げては一旦反発します。今回はその反発の指数値まではまだ下落していないのですが、乖離幅が-21Kと大きくなりました。OSCも49%、RSIも22%とほぼコンバージェンスしておりますので、500Kを切るようだとそこからの反転が期待できるかも知れません。

7.4304イーストアー ○

 OSCは43%でコンバージェンスし、乖離幅も-1Kまで改善。指数値はあと一息で切り返しポイントです。282Kの底が確認できれば、そこから買い上がりがあるかも知れませんので注意下さい。明日下げても、その分上昇圧力が高まりますので引き続き注目。

8.4797ICF △

 OSC49%、RSI26%でともにコンバージェンス。指数値は5日以来に。また、乖離幅も-5Kと良くなっています。

9.8910サンシティ △

 MSCB発行で嫌気がさされておりますが、OSC40%、RSI38%でともにコンバージェンスしております。乖離幅も-2K。ここらで反発があると思われます。不動産銘柄はどうしてこうもMSCBと業績をセットにして発表するのでしょうか?アセットMも2度目は投資家も騙されないで、ここのところ下げております。(最初に引き受けたところが売って下げているのでしょう。)貸株条項など発表資料を見ただけでは分かりません。この不透明さが悪いイメージを醸成していることに会社は気づくべきです。まだ公募の方がよいでしょうに。

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価値ある存在-吉本隆明74語より(1)

2005-08-13 17:20:56 | 価値ある存在
これから土曜日の数回は、筆者が若い頃から気にしていた吉本隆明の思想に関して、勢古浩爾さんがまとめた「吉本隆明74語より」という本から、思うところを記述してみます。週末は、いったん泥臭い株の世界から離れてみるのも良いのではないでしょうか。(青字は吉本隆明の言葉、コメント=筆者の感想)

結婚して子供を生み、そして、子供に背かれ、老いてくたばって死ぬ、そういう生活者をもしも想定できるならば、そういう生活の仕方をして生涯を終える者が、いちばん価値がある存在なんだ。 (「自己とは何か」-敗北の構造)

みなさんの方では、学校をでて会社に入って、定年までの給料も計算できるというバカバカしい生活になんの価値があるのか、と逆に考えるかもしれません。もう少しして就職すれば、そんなことはウソだとすぐ判ります。つまりそういうふうにおあつらえ向きには、人間は生きられないわけです。そして、そこから大なり小なり逸脱してしまうわけなんです。だから、本当はそんなふうに生きられれば、どんな偉大な人といわれる人よりも、価値のある生き方だといえるのです。(「敗北の構造」)

◇コメント

さすがに、定年までの会社生活を見通してその会社に入る若者は少なくなったようですね。私が会社を辞めるときに後に残った30代、40代の人間は異口同音に、何年か先がどうなっているかは全く分からないと言っていました。現に辞めてから2年が経って、元の事業部は他社に売却されました。新しい会社に移る人間もいれば、これを機に元同僚が起こした会社に転職したものもいます。これから先も何が起こるか分からない時代に入ったようです。会社や組織の寿命が短くなってきているのですね。会社そのものは存続しても、事業内容が全く変わってしまうことにより、元の仕事の知識・ノウハウが生かされない事態が容易に現れてきているようです。しかし、昔から言われるようにつぶしがきく人間は、周りの環境がいかように変わろうとも、基本となる生き方の基盤が出来ているので適応がたやすいのですが、その会社のその職種にのみ効力をもつような仕事に埋没してきた人間は、いともたやすく「逸脱」してしまうのです。世の中がどう変わろうとも、生きていけるだけの「知恵」さえあれば問題はないのですが、この「知恵」というのはどういうものか、次の吉本の言葉をよく噛みしめるのが良いかも知れません。

<頭のいい奴って、ろくな奴いないものね。(「ハイ・エディプス論」)>

1.「頭のいい人というのは、世の中にたくさんいます。そういう人と競り合わなければならなくなったとしても心配しなくていい。頭がいい人というのは、自分を鋭く狭めていくようなところがあります。長い目で見ると、それはそんなにいいことではない。熟練した職業人になるには、少しゆるんでいて、いい加減なところがあって、でも持続力だけはある、というのがいいのです。(「ひきこもれ」)

2.「学生さんたちとはわりとよく付き合っていました。いわゆる頭がいい学生たちがセンスがいいかといえば、これは概してセンスが悪いですね。何てセンスが悪いやつらだと思っていました。逆に世間では頭が悪いという通り相場になっている大学の学生さんは、概してピント外れでない、いいセンスを持っていて、感心するところが多かった。」「(頭のいい学生や研究者には)こんなことを突っ込んでも、これからの時代、ちょっと使えないぜというような、無駄な突っ込み方をしている人がいます。」(「遺書」)

◇コメント

会社にも「頭のよい人」はたくさんいました。そういう人は現実に起きている問題に対して実に要領よく「当面の解決策」を見出します。確かにそれでしばらくはしのげますが、世の中が根本的に変容を遂げようとしているときは、従来の延長線での解決策では到底対応できないものです。しかし、頭のよい人は絶えず周りをうならすロジックを考え出します。考え出すというより、ひねり出すと言った方が適切かもしれません。破綻すべき将来はまだ来ていないため、誰もそのロジックの正誤については判断を下すことができないのですね。そうでないことを示す現実があればよいのですが、問題を起こしている現実を踏まえて、頭のよい人は誰もが思いつかないような「解決策」なり「考え方」を提起するのに秀でているため、それを否定することが誰もできないのです。これが、成功体験をもつ企業が、捨て身のベンチャー企業に足下をすくわれてしまう遠因でしょうね。ベンチャー企業は、既存の大企業と同じ戦法をとっていては勝ち目がないため、必死で新しい方法を考え出し、それを遮二無二実行します。そして、新しい世界が開かれていくのですね。

株の世界は、頭がよいも悪いもありません。結果がすべてを語る希有な世界ですね。しかし、それを仕事としているアナリストのような人々は、一体、どのように考えて仕事に携わっているのか、少し興味があります。何しろ自分の周りの同僚もある種の競争関係にあるでしょうから、チームを組んではいても普通の事業会社と違って、成果を数倍にする協働の「動機づけ」が働くものかどうか? また、会社から提供されるリソース(様々なシステムリソース、情報源、顧客との基盤など)をどう使うかが結果を出せるかどうかの分かれ目なのかどうか? 等々です。個人の株トレーダーも、つくづく良いセンスを持っているかどうかが勝敗の分かれ目となると感じています。ところが、そのセンスとはいったいどのようにして磨かれるのでしょうか?
コメント (2)
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